ナッジ(nudge)とは?行動変容を促すきっかけづくりとして

教育用語

「ナッジ」という言葉に出会いました。正直なんのことだか分かりませんでした。

でも教育現場にもいろいろ応用できることがたくさんあります。

勉強してみる価値はあるなと思いました。

「ナッジ(nudge)」の意味は「小突くこと」

「ナッジ(nudge)」を辞書で調べてみると、「小突くこと」「そっと後押しをすること」と載っています。

  • ひじなどでそっと押して注意を引いたり、前に進めたりすること
  • 特定の決断や行動をするようにそっと説得・奨励すること

「そっと」というところが、さり気なくて印象的ですね。ふつうに注意を引いたり、前に押したり、説得したりするのではありません。

気付くか気付かないかくらいに「そっと」行うわけです。

 

「スラッジ(sludge)」にならない倫理観が大切

ナッジを使うと、相手をコントロールできるということです。

それが、選択者自身にとってより良い選択ができるように手助けすることであればよいのでしょうが、逆に悪い方向へも導くことができてしまいます。

提供者の得にしかならないような使い方はしてはいけません。それをスラッジ(ヘドロ)と言います。

ナッジは、主体的に選択する自由を残しつつ、望ましい方を選ばせる介入の方法です。悪用しないための倫理観が大切ということになります。

 

「ナッジ」の具体的例

実際に「ナッジ」として使われているものを調べてみました。

あれがそうだったのか!とアハ体験のように面白かっったです。

私たちは気付かないうちに、ナッジに囲まれた生活をしているのかもしれません。

 

お店のトイレの張り紙「きれいにお使いいただきありがとうございます」

ラベリング効果というそうです。確かに、トイレにはいって最初に「きれいに使ってくれてありがとう」と言われてしまうと、わざわざトイレを汚そうとは思わないし、しでかしてしまったらきれいにして立ち去ろうとも思いますね。

これは学校のトイレでも使えそうなテクニックです。子どもたちに「コンビニみたい」って笑われますかね。

給食室や図書室などトイレ以外でも使えますね。「ありがとうございます。」という言葉は、魔法のコトバのように思います。

 

男性用小便器にある「的」

またトイレの話かと言われそうですが、男性諸氏にはこの気持ちがわかりますね。

なぜ、あそこに当てたくなるのでしょうか。不思議ですが、たしかに自然と狙ってしまいます。

結果、トイレをきれいに使ってもらえるという効果があります。面白い。

 

階段を使って健康増進するための「仕掛け」

エスカレーターやエレベーターは便利なのはもちろんですが、最近は公共施設を中心に、「健康のために階段を使いましょう」とか、「節電のために1フロア移動のご利用はお控えください」とか、張り紙がされています。

さて、この張り紙が目に入らなかったことにするかどうか、若干の罪悪感を感じさせられます。これはストレートな表現なので、ナッジとは言えないかもしれませんが。

 

話題になった音が出る階段

さらに、そのとなりの階段へ行ってみると、階段をのぼったときに音が出る仕掛けがあります。これもナッジです。子どもたちは大喜びで階段を登ったり降りたりしています。いつまでも次のフロアへ行けない親の気持ちは、察してもらえないようです。

階段の踏面や蹴込み板のところに、「0.1kcal」なんて書かれていると、大人も階段を使いたくなります。これもナッジです。

 

保健室の前に一定間隔でテープを貼っておく

新型コロナウィルスの影響で、ソーシャルディスタンスを取るように言われました。

身体測定などで保健室前に子どもたちが並ぶとき、間隔を開けるように指導するのは意外と負担です。「前ならい」よりも距離を取らないといけないからです。

そこで、子どもたちの並ぶ廊下に、等間隔でテープを貼っておきます。子どもたちは自然とそのテープに足を合わせて並ぶようになりました。

保健室前で大きな声を出して指導することはもうありません。

 

プールのサイドにペンキで線を書いておく

同じようにして、プールサイドにも等間隔で線を引きます。テープでは剥がれてしまいますから、耐水性のペンキで線を引きます。

水泳の時間にでソーシャルディスタンスと言われても難しいですが、少なくとも、プールサイドで準備体操したり、先生の話を聞いたりしているときには、距離を取ることができます。

こういったことは、「この線に足を合わせてください」と一度言えば子どもたちでも理解できます。

学校でできるナッジとしては、いろいろなところに応用できるので非常に有効だと思います。

 

まとめ ナッジを使って子どもたちによい行動を促す

ナッジの良さは、先生方が大声を出して指導したり、何度も何度も言って聞かせたりする必要がないことです。

自然と望ましい行動を取るようになれば、むしろ褒める機会、感謝の言葉を伝える機会が増えるということです。

叱る指導よりも、褒める指導のほうが気分がいいです。(アドラー心理学では感謝するですね。)

これからも、どんなナッジがあるか、注意深く生活していこうと思いました。

 

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