【手帳術】ミッション・ステートメントを更新しました。

教師手帳

みなさんはミッション・ステートメントを書いていますか。

わたしは手帳の最初のページにミッション・ステートメントをはさんでいます。

毎日ではないですが、ときどき見返しています。いつでも見られます。

ふと思ったときに、いつでも見られるところにはさんであるということが、大切だと思います。

  

毎年書いているわけではありません。一度書いて、ちょっと修正が必要だと思ったら直接書いてしまっています。

2021年に作ったものの手直しが溜まってきたので、あらためて読み返して作ってみました。

もう10月なのでタイトルは2024年しました。3年ぶりということになりますね。

  

ミッション・ステートメントとは何か?

ミッション・ステートメントは、スティーブン・R・コヴィー氏の名著『7つの習慣』に書かれている「第二の習慣 目的を持って始める」に書かれています。しかし『7つの習慣』を語りだすと長くなるのでやめます。

自分なりの解釈を書いておきます。3つ挙げてみます。

ミッション・ステートメントは「人生の憲法」です。憲法は法律や条例などのうえにある大前提となる決めごとです。個人の憲法となれば、いろいろな決定、判断、方針の基盤となるものです。

ミッション・ステートメントは「自分との約束」です。自分自身との約束です。これをしよう、こっちにしようと決めるのも守るのも自分です。自分を裏切るか信頼を増すかの境界です。

ミッション・ステートメントは「見方・考え方」です。他者や環境、社会や時代をどうとらえるか、どう向き合うかを規定します。自分の生き方や在り方を常に問いただすための命題です。

さて、こんなことを踏まえながら、いったいどんなことを書いているのか。ちょっと恥ずかしいのですが、公開したところで何の問題もないのでオープンにします。このこともミッション・ステートメントのなかに書いています。

  

実際にプリントアウトしたのはこんな感じ

これからのミッション・ステートメントはこちら!

Mission Statement 2024

【 笑顔 】と【 感動 】

1.周囲の人達を笑顔にする。

家族や親族、学校、世界中の人たちが笑顔で過ごせるように貢献する。
人々が穏やかに支え合うように、自分から尊敬(相手の関心事に関心)を示す。

2.さまざまな感動を大切にする。

自分の心と体に様々な体験をさせてくれる環境と社会を大切にする。
日々の生活のなかにある大小の幸せにアンテナを立て、感謝を行動で示す。

【 実感 】と【 納得 】

3.実感こそ真実である。

主体性を持ち、自ら率先して動くことで、周りも動きだす仕組みをつくる。
家族や周囲と生活・行動・感情を共にする。汗と涙と思いと時間を共有する。
思いついたアイデアを温め、計画と行動を進める。試すことに失敗はない。

4.納得はエネルギーである。

自己啓発、防災教育、SDGs教育、ICTの活用、アドラー心理学の研鑽を積む。
教育に関する修養を通して、ファシリテーション能力とプレゼン能力を磨く。
実感と納得を大事にする教育実践を実現実行し、個人と社会へ広めていく。

【 自然 】と【 刹那 】

5.自然から人生の智慧を学ぶ。

自然を観察し、自然の教えを発見する。自然と関わり、人の生き方・在り方を学ぶ。分かると楽しくなり、学ぶと幸せになる。自分がまず面白く感じる。

6.「いま、ここ」の刹那を大事にする。

舞台でダンスをするように、人とのつながり、社会との接点を大事にする。
自立=相互依存する。自分を飾らずに発揮し、歯車ではなく独楽(コマ)になる。

【 バランス( 調和 )】

7.すべてのバランスを大切にする。

どんなに動き回っても、自らの中心軸に戻る。中央から周囲を見渡し、周囲の幅を広げる。世界はサンドボックスではなくオープンワールドである。心を開き想像力を広げ、世界を拡張しながら、互いのすべての調和を重んじる。

対立軸、平行軸にあるものを重ね合わせ、対比のあいだのグラデーションを無限に見る。受容・肯定しながら両立を図り、第3の道=革新案を見つける。

  

ミッション・ステートメントの書き方

ミッション・ステートメントの書き方に絶対の決まりはないと思います。

私のミッション・ステートメントもいきなりここまで書き上げたわけではなく、何年もかけて少しずつ改変してたどり着いたものです。

書いては直し、試しては直し、時間をかけて育ててきたものです。

自分の心に響く「キーワード」を探す

世の中に無数にある言葉、そのなかで自分で大事だなと思う言葉を探します。この場合は文章ではなく単語がいいと思います。キーワードです。

無数にあるのだから選びきれるわけがないので、自分で制限をかけます。私は7個に決めました。マジックナンバーとして覚えていられる数だと思ったからです。

そうやって長年かけて見つけたキーワードが、「笑顔」「感動」「実感」「納得」「自然」「刹那」「バランス」です。

学校で働いていると「笑顔」「感動」はいつでも大切にしたいものです。「実感」「納得」は理科の授業をしていると常に頭にあります。この4つはペアでスラスラ決まりました。自分の生活と直結して、本や研修でよく出会っていた言葉だからでしょう。

キーワードはあなたの過去に隠されている

しかし「自然」と対になる6番目のキーワードがなかなか出てきません。「自然」の反対語は「人工」だと思いますが、私のイメージする「自然」は悠久なもの、時間的に長いものでした。

しばらく躓いていたのですが、やがて「刹那」という言葉に出会います。出処は「ガンダムOO(ダブルオー)」の主人公、刹那・F・セイエイです。このアニメを観て「刹那ってなんだ?」と調べて気に入りました。すみません、ガンダムの話はやめておきます。

  

最後の「調和」は初任のときに仕えた校長先生に授けられた言葉です。飲み会の席で「理科の本質は何だ?」と聞かれて答えられずにいたときに、たった一言「調和だよ」と教えられました。酔いが一気に覚めるほどの腹落ちでした。

調和は英語で言えばバランスです。ゲームでバランス型といえば、戦士でもなく魔法使いでもなく僧侶でもなく「勇者」です。勇者は物理攻撃も攻撃魔法も回復魔法も使えるゼネラリストです。すみません、ドラクエの話もやめておきます。

それ以来、すべてのなかで最も大切なものは「調和」だと思っています。最後7つ目はペアにせず、単体のキーワード「調和」に決まりました。

  

大切なことは、「キーワード」はどこで出会うかわからない。アンテナを立てていればやがて「キーワード」に出会える。ということです。そして、それは自分の過去にヒントがあります。

  

心に響く「キーセンテンス」をつくる

ここまで決めた「キーワード」を使って、心に響く短い文章「キーセンテンス」を作っていきます。

キーワードだけだと短くて「それの何が大事なの?」となってしまいます。長いと覚えていられず絵に描いた餅になります。

一息で言えるくらいの文章にします。短ければ言葉を加え、長すぎたら言葉を削ります。ミッション・ステートメントでもっとも大事なところです。

「笑顔」・・・周囲の人達を笑顔にする。
「感動」・・・さまざまな感動を大切にする。
「実感」・・・実感こそ真実である。
「納得」・・・納得はエネルギーである。
「自然」・・・自然から人生の智慧を学ぶ。
「刹那」・・・「いま、ここ」の刹那を大事にする。
「バランス(調和)」・・・すべてのバランスを大切にする。

  

ミッション・ステートメントは変わっていくものである

ここまで来たら、あと一歩。キーワードとキーセンテンスの意味するところをさらに分かりやすく書いていきます。

キーワード、キーセンテンスはスラスラ言えたとしても、これ以上長い文章は覚えていられません。どうせ覚えていられないのなら、解説する意味で心に響く言葉や文章を書いていきます。

こうしてミッション・ステートメントを書いたり、直したり、消したり、加えたりして、育てていきます。ミッション・ステートメントは一度書いて終わりではなく、それを元にして変化していくのです。

  

みなさんもミッション・ステートメントを書いてみてください

どんなものでもいいので、まずは最初の「キーワード」を書いてみましょう。

手帳の表紙でもいいし、不安なら付箋でもマステでも構いません。

書いた単語に違和感があれば、また違うものを書いてみればいいだけです。

一文字変える、一文を変えるだけで、自分が変わっていきます。

手帳にはさんで見返すことによって、潜在意識に擦り込まれていくからです。

  

人間は成長する生き物ですから、価値観やミッションも変わっていいのです。

変わるということが、成長するということです。変えるということは、成長しているということです。

自分を変えることは難しいですが、手帳に貼り付ける付箋を変えることは、いつでもできることです。

今回の記事は、新しい私のミッション・ステートメントに従って「心を開き」「自分を飾らずに」書いてみました。みなさんのミッション・ステートメントを書くきっかけになれれば幸いです。