3年生の学級担任として面接指導をすることがあります。どこの高校でも聞かれる定番の質問については、答えられるように指導してあげる必要があります。そのためにはその質問の意図を理解しておく必要があります。今回の質問は、
面接官「あなたの苦手な教科はなんですか?」
です。こんな風に自分で質問しておいて、
「はい。わたしの苦手教科は理科です。」
なんて、自分の教科が言われるとちょっと凹みます(笑)。
高校側は手元に調査書や志願書を持っているはずです。評定を見れば苦手教科などすぐに分かるのに、どうしてこんな質問してくるのでしょうか?
自分の苦手教科を把握しているのかどうか確かめたいのでしょうか?しかし、それで正直に言ったところで受験生にはメリットがありません。面接は自分の良さをアピールする場です。
苦手なことを「苦手です。」と言うだけでは、正直者と評価される反面、苦手だと分かっているのに何もしていないのかと思われてしまいます。
苦手教科を聞かれたら、いかに努力家なのかアピールするチャンス
そこで、例えば次のように答えます。
「はい。わたしの苦手教科は理科です。覚えるのが苦手だからです。実験をするのは好きなので、それと関連付けて用語を覚えるようになるようにしています。家庭学習では計算問題をくり返し解いて、分からないところは次の日、先生に質問するようにしています。」
こうすることで、自分が苦手教科を克服しようと努力していること、つまり自分は正直なだけでなく、努力家であることをアピールできます。
自分の短所や嫌いなことも、プラスの話に転換していく
同じように自分の短所や嫌いなことについても、それを自覚していて克服するために努力しています。というアピールをしましょう。
「はい。私の短所は飽きっぽいところです。本をずっと読むのが苦手なので、タイマーをセットして決めた時間は読書をするようにしています。今は受験勉強の合間に毎日30分くらい気分転換に本を読んでいます。」
「はい。私の嫌いなことは長距離走です。部活のときにもなかなか前向きに取り組めませんでした。いつも同じく走るのが嫌いな友達と並んで走っていました。その友人とは引退してもずっと仲良しで、受験勉強も一緒に励まし合いながら頑張ってきました。」
このように答えたらどうでしょう?ちょっとくどいかもしれませんが、少なくともマイナスでは終わっていないはずです。マイナスのことを聞かれて,マイナスのことを答えていたら損です。
嘘にならないように今からでも努力する
もちろん面接で嘘をついてはいけません。高校の先生は何千人という受験生を見てきた面接のプロです。たいてい目の動きや表情でばれてしまいます。今から入試までの数週間でも、苦手教科、短所、嫌いなことと向き合って、努力をしてみましょう。
「はい。私の苦手教科は数学です。特に図形の問題がなかなか分かりません。それで、最近は毎日5問ずつ図形の問題を解くようにしてきました。補助線の引き方など、友人に教えてもらって少しずつコツが掴めるようになってきました。」
最近の話でもいいはずです。自分の苦手なことから目を背けたいのは誰しも同じです。それでも受験という壁を前にして、自分の課題と向き合い努力したことは自信につながります。その努力は言葉に乗って、面接官に伝わるはずです。
学級担任として、進路指導担当として、このような理解で助言できるといいと思います。
「苦手な教科はなんですか?」まとめ
苦手なこと、できないことを単純に答えてしまわない。
苦手なことを分析して、小さくして答えるようにする。
苦手なことを改善しようと努力していることをアピールする。