もうすぐ冬休み、生徒たちは浮足立つときですね。先生方は通知表や学期のまとめなどに追われている、まさに師走だと思います。
さて、今年度の「冬休みの生徒指導担当の先生のお話」について原稿をアップします。
もちろん学校、地域の実態の違いはありますので、自分なりに考えて、自分の言葉で語るようにしましょう。生徒の心に思いを伝えるために、自分が腹落ちしていることは大切です。
冬休み前、生徒指導担当の先生のお話
令和5年度に、冬休み前の生徒指導としてどんなことを話すべきか考えてみました。原稿として仕上げましたのでアップしてみます。
記事の最後にPDFでダウンロードできるようにしてありますので、これを叩き台としていただければと思います。
令和5年度 冬休みの生徒指導のお話
もうすぐ冬休みです。2週間の長い休みになります。
そこで、生徒指導の担当から話をします。3つ話しますのでよく聞いてください。
1つめ、冬休みは今年1年の締めくくりと、新しい年を迎えるときでもあります。
年末年始を利用して、今年1年を振り返ってみましょう。勉強、部活動、委員会活動、学校での生活はいかがでしたか?家庭学習、おうちの手伝い、早寝・早起き・朝ごはん、家での生活はどうでしたか?
振り返ってというと、反省反省と悪いことばかりあげてしまいそうですが、自分なりにできたこと、がんばったこともあったでしょう。そういう自分をほめてあげることも大切ですよ。
振り返りができたら、次は新しい目標を立てましょう。一年の計は元旦にありといいます。やりたいことは何かな、頑張りたいことは何かな。楽しみなことは何かな、続けたいことは何かな。そんなことを考えてみましょう。
クリスマスやお正月といった楽しい行事もあります。大掃除や初詣などで家族と過ごす時間も増えるでしょう。家族と話をしながら、振り返りと目標について、言葉にしながら考えてみてほしいと思います。
2つめ、いつも言っていることですが、交通事故防止です。
特に自転車に乗るときは気をつけましょう。ヘルメットはみんなかぶるようになりましたね。これからも続けてください。高校生でもかぶっている人が増えてきました。みんなが赤信号で止まるように、ヘルメットをかぶることが当たり前になってほしいと思います。
しかし、冬には雪がつきものです。雪が積もったり、降っているときには、自転車は控えましょう。道路が凍っていることもあるし、雪が積もっていて凍っていることがわからないこともあります。わだちにタイヤがとられて転ぶこともあります。そういうときは大変でも、歩くとかバスとか、別の交通手段を検討しましょう。雪があるときには自転車に乗らないようにしてください。
傘さし運転、ながら運転はいけません。スマホをいじりながらとか、イヤフォンで音楽を聴きながらという事故も聞いています。周りが気を付けていても、自分の集中力が足りていなければ事故になります。もし小さい子や高齢者にぶつかったら、自転車に乗っている君たちが加害者になるんだからね。ぶつかられて被害者になるのも、ぶつかって加害者になるのも、決してないようにしましょう。
3つめ、SNSでのトラブルです。これもまだまだ心配しています。
悪口を書き込んだり、グループ外しをしたりといったトラブルが起きています。みなさんのおうちの人は、そんなことのために、みなさんにスマートフォンやゲーム機を与えているのではないはずです。人を傷つけるために、毎月毎月、使用料を払っているのではないです。そういう思いや信頼を裏切るようなことはしないでください。
トラブルになる前に、おうちの人や先生方に相談するようにしましょう。自分たちだけで解決できないから、世の中には警察や弁護士がいるんです。いきなりそこに行くのは難しいでしょうから、親や先生方に相談して、少しでも早く解決していきたいと思います。
一人一台端末になって、みんなが学校でタブレットを使うようになりました。カメラで写真を撮ったり、クラスメイトとやりとりすることも増えました。友達の写真を勝手に撮って、みんなでそれを見て笑ったり、馬鹿にしたりする。それはいじめです。許されないことです。
タブレットは学習目的で貸し出しているものです。抜け道を探してつなげないサイトにつないだりするのは、やってはいけないことです。そのせいで端末がおかしくなって初期化したり、弁償になったケースもあります。修理に数万円かかります。誰も得しません。
タブレットを上手に、適切に、使えるようになりましょう。タブレットの悪い面で人生を狂わされずに、タブレットの良い面で自分の学力や可能性を伸ばすように使ってください。
自転車もタブレットも同じです。使い方次第で、人を傷つけることもあるし、人に傷つけられることもあります。自転車にもタブレットにも免許や検定はありません。子供でも大人でも使えます。上手に使えば、自分や周りを豊かにしてくれるものです。上手に使っていってください。
1、2、3月というのは1年の始まりでもあり、今の学年のしめくくりでもあります。次の学年へあがるためのホップ、ステップ、ジャンプのときです。いいスタートが切れるように、いい冬休みにしてください。終わります。
自分が生徒指導担当だったらどんなことを話すか?
実は今年度は生徒指導担当ではありません。しかし、自分がもし生徒指導担当だったらなんて話すかな?と考えていました。
このように「もしも…だったら、」と仮定して、こういった原稿を書いてみるのは、自分の力量を高める上で大切です。
自分に与えられた校務分掌については、自然と詳しくなります。やがて得意になります。しかし、それでは経験できなければ成長できないことになってしまいます。
読書をして疑似体験を通して成長できるように、原稿を書くことでその校務分掌を疑似体験するのです。
冬休み前の学年集会において、生徒指導担当、学力向上担当、情報教育担当、学年主任…、それぞれで話すべきことは違うはずです。全校集会でも、生徒指導主事だったら、校長だったら、学級担任だったら…。みんなそれぞれの立場で話すことが違うでしょう。
いつ、だれが、どんなことを話しているのかしっかりと聞いておく。メモしておく。自分でも考えてみる。それもまた修養だと思います。
原稿のダウンロードはこちらから
今回は、自転車とSNSを対比させたところが特徴です。リアルに感じやすい自転車と、感じにくいSNSを、繋げて考えました。
事故にあって後遺症が残って一生苦労するとか、ネットにあげた写真がデジタルタトューになっていつか自分を苦しめるとか、まだまだ対比させられそうですが、長くなりそうなのでカットしました。
何かしら先生方の参考になれれば幸いです。子どもたちも先生方も充実した冬休みになりますように。
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