手帳術は一つずつ身に付ける習慣です

教師手帳
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手帳にちょっとずつ慣らす

手帳術を身に付けるときには、全てをいっぺんに変えるのはお勧めしません。経験者は語る、です。

何かを変えるというのは、人間にとってはストレスです。今まで手帳を使ってこなかった方にとっては、手帳を使うというだけで十分なストレスがかかっています。何かしらの手帳を使っていたとしても、フォーマットが変わって書くところが変わるというのはストレスです。

さまざまな手帳術の本が売られています。さまざまなフォーマットの手帳が売られています。11月には手帳特集の雑誌がたくさん並びます。1月始まり、4月始まり、9月始まり、いつでも使い始められます。

もちろん期待を込めてワクワクするところもありますが、それは使う直前までの話です。いざページをめくるとどうしようかなと一瞬手が止まるはずです。

それでも本にそう書いてあったから、手帳の空いているページがあるからと頑張ってしまいます。そうして、あれもこれもと欲張ってしまうと、結局すべてが定着せずに3日坊主で終わってしまいます。

 

ですから、まずはシンプルに始めましょう。ちょっとずつ手帳に慣れていきましょう。

もしかしたら、4月の忙しい時期に新しい習慣を身に付けるのは大変かもしれません。ゴールデンウイーク中に書き始めて、5月中旬から運用してもいいかもしれません。1ヶ月で効果は実感できると思います。

「教師手帳」を例に、説明していきます。

「教師手帳」に時間割を書きこむ

「教師手帳」に時間割を書き込むところからスタートします。

クラスを書く時には、3年2組や5年1組と「年・組」を書くのは面倒なので、3-2、5-1とします。

小学校であれば基本的には「国語」「算数」などを書けばいいと思います。他クラスにいく場合には「◯-◯音楽」という感じです。専科の先生であれば、クラス名「◯-◯」だけでもいいと思います。

中学校、高校の先生は、専門教科がありますのでクラス名「◯-◯」が基本になると思います。「道徳」「学活」「総合」はおそらく自分のクラスに行くことが多いと思いますので、クラス名を書かなくても大丈夫だと思います。

もちろん、道徳を担任以外が行うこともあるので、それはそのとき分かるようにすればいいと思います。総合など、クラスではなく学年のなかでグループを作り直すこともあるでしょうから、「A班」とか「◯◯調査団」などと書いてもいいと思います。

私は、行く教室を間違わないように、やはり「3ー3総合 5・6班」などと書いています。

 

できれば、指導する内容を簡潔に書いておくといいと思います。書けない場合には、逆にやったことだけは書くようにしましょう。先の見通しが持てるようになるまでの辛抱です。

手帳はこれからのスケジュール帳ですが、これまでの記録簿でもあります。あまり後ろめたくならずに、自由に使っていいと思います。私も忙しすぎるときは、クラス名しか書いていません。授業内容は廊下を歩きながらでも確認できます。

テスト監督や補欠などで他教科の授業に行く場合には「◯-◯社会、テスト監督」「◯-◯美術、補欠」というように書いておきます。そうすれば、自分がその時間、教室に張り付いていなければならないのか、職員室などで自由に動けるのか分かります。自分の空き時間を把握することができます。

タスクリストをつくる

今思いつく範囲で、やるべきタスクを挙げてToDoリストに書き込んでいきます。

初めてリストをつくるときはタスクが大量にあると思います。手帳は、膨大なタスクを前にどうしようかと思って使い始める方が多いと思います。ですから、タスクを整理するところから始めましょう。

いきなり手帳に書きこむのに抵抗がある場合には、別の紙やパソコン、付箋紙などを使って事前リストを書いていくといいと思います。最初は大変かもしれませんが、ある程度は出し尽くしたほうが安心です。

優先順位、締め切り、ジャンルを考えて、並べ替えていきます。【学級経営】【部活動】【校務分掌】【会計】など、ジャンルを挙げただけでもいくつかのタスクが浮かんできますね。

それがある程度できたら、各週のToDoリストに割り振ってみましょう。

 

リスト作りも、割り振りも、それなりに頑張ったと思ったら、それでいいと思います。手帳に転記したものは、最初に作成した事前リストから消してもいいです。

まだ事前リストにタスクが残っていて、いつに割り振ったらいいか迷うっているのであれば、事前リストは捨てずに取っておきましょう。

事前リストの仕事も含めて、今後は思い出したとき、思いついたとき、頼まれたときに各週のToDoリストに追加していきます。

タスクは早く終われば先取りすればいいし、間に合わなければ翌週に回せばいいのです。最初はうっかり忘れていることもあると思います。大丈夫です、使っていくうちにきっと軌道に乗ります。

空き時間にタスクを割り振る

スケジュールとタスクリストができたら、「教師手帳」の本領発揮です。

タスクの頭にアルファベットをつけて、時間割の空き時間に割り当てます。アルファベットを割り振るまでもないタスクもあるので、A~Zの26個で十分足りると思います。

学校の先生のメリットは、1単位時間が45分もしくは50分と決まっていることです。(65分という学校もありましたが。)

 

できれば、タスク1つを15分~25分で終われる程度の大きさに細分化しましょう。スモールステップで前進することができます。

タスクの大きさにもよりますが、空き時間1コマで1つのタスクを割り当てます。簡単なタスクなら3つのタスクがこなせることもあります。

例えば、【部活動】の練習試合参加計画を作るにしても、

A ◻ 練習試合参加計画をつくる
  ◻ 時程、持ち物、メンバーを書く  ◻ 保護者会長に連絡する  ◻ 印刷する

などと分けておくのです。空き時間が残り20分でも、持ち物とメンバーを書くくらいならできそうだと分かります。そうすれば、保護者会長に日程確認の電話を入れるのは、放課後でも大丈夫と判断できます。

(空き時間を無駄にした…)と虚しく思うことはありません。(空き時間に終わらなかった!)と悔しく思うこともありません。仕事は着実に進んでいます。安心してつぎの授業に向かってください。

 

こういう習慣が自分のなかで定着するまで、1ヶ月くらいかかると思います。早寝早起きなど、新しい習慣が身に付くまでには3週間かかると言われます。完璧にやろうと思わずに、1週ずつ、すこしずつ書き込みを増やしていきましょう。

1ヶ月がんばると余裕が見える

これで授業も事務仕事も収めることができました。本当の自分の空き時間が見えてくるはずです。

ここから、その空き時間に行う教材研究や授業の準備、研究授業の資料づくりなどのタスクを書きこむようにします。緊急ではないが重要なタスク、いわゆる「第Ⅱ領域」のタスクを割り当てていくわけです。

少しずつ放課後の時間の使い方も考えられるようになると思います。ほとんどの中学校の先生は「部活動」で埋まると思います。しかし、ときには会議や出張、委員会活動などが入ってくると思います。忘れずに書いておくようにしましょう。

放課後にやるものは放課後に、タスクの記号と予定時間を矢印で書きます。家に持ち帰る仕事もあると思います(嫌ですけど)。締め切りを考えて、逆算して割り当てましょう。

家事をこなさなくてはいけない先生や、子育て中の先生は、放課後の時間にタイムリミットがあると思います。教師手帳の時間軸に横線を引いて、それまでにできる範囲でがんばりましょう。

ワーク・ライフ・バランスを意識している先生も、退勤時間に横線を書いておくと、どれだけ仕事(残業)をして、どれだけプライベートに時間を使えたのかが見える化できます。

相談、依頼も手帳をもとに

できない、間に合わないと分かったら、周りの先生や主任(教務、教頭)に相談するのも大切です。相談したり、頼んだりすることに抵抗を感じるかもしれません。

しかし、間に合わなくて困るのは自分だけでなく、周りの先生、子供たち、保護者の皆さんです。どうしてできないのか、間に合わないのか、それが分かるのも手帳を書いているからです。抵抗はあるかもしれませんが、事情を理解してもらうために、思い切って手帳を見せるのもいいと思います。

助けてくださる先生、仲間はきっといるはずです。先生の仕事というのは1人では完結しません。必ずチームメイトがいます。チームメンバーにパスを出すのも、大切なプレイの一つです。ヘルプを出すのは悪いことではなく、チームのためなのです。

 

ここまで来ると、家に持ち帰らなくてはいけない仕事はどれか、帰り道に寄るところはないか、1日のスケジュールが見えてきます。練習試合が終わったら何をするか、久しぶりの休みの日は何をするか、そんな風に1週間のスケジュールも立つようになると思います。

自分の時間がどれくらい拘束されているのか、自由なのか、「見える化」されます。そして、その時間で何をするか見通しをもつことができます。先が見えると心に余裕が生まれます。

好循環が生まれてくるはずです。少なくとも足踏みすることなく、ちょっとずつ前進していることを実感するはずです。自分が本当にやりたいこと、チャレンジしたいこと、やってみたかったこともできるようになります。

手帳術に絶対的な「解」はない

新しい習慣はすぐには身に付きません。小さな変化を定着させて習慣化し、また次の変化を受け入れる。この繰り返しです。

世の中には「手帳術」について書かれた本がたくさんあります。私もたくさん読みました。有名人がプロデュースした手帳もたくさんあります。学校の先生向けに作られた手帳も市販されています。私もたくさん見ました。

しかし、どんなに素晴らしい手帳でも、自分なりにその使い方を理解しなくてはいけません。全てのページを一気に使いこなそうとすると挫折して、せっかくの手帳も3日坊主で終わってしまいます。

 

手帳術というものは、それを作った人の長い経験と工夫から身に付けられたものであって、フォーマット(リフィル)さえあれば誰でもそうなれるのかと言えば、「すぐに」そうなれるわけではないのです。

まして、手帳開発者そのものにはなれないわけで、必ずどこかに無理が生じます。そこを我慢して、妥協して、使うことになります。

特に綴じ手帳は、手帳の方に自分を合わせて必要があります。そこへいくと、システム手帳は自分で好きなように作り変えていくことができます。 

手帳は少しずつ使って、自分を手帳に慣らしていく。もしくはシステム手帳を使って自分に合わせていく。

まずは簡単なスケジューリング(時間割)。つぎにタスクリスト(事前リスト)。

手帳術は自分で構築するもの。いろいろ参考にしつつ、自分が使いやすいように使えばいい。

ゼロから作るのは大変です。しかし、「教師手帳」という基本フォーマットはすでにあります。これをベースに、最終的には自分の使いやすいように作り変えていただければと思います。

「教師手帳」の手間は印刷することです。利用者の方のご意見が集まって、最大公約数的な「教師手帳」が作れるようになったらいいなと思います。

そしていつか、どこかの手帳リフィルメーカーなり、文房具メーカーなり、教育書を扱う出版社などに、製品化をお願いしたいと思っています。(ささやかな夢です)

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