令和4年度の卒業文集の原稿を掲載します。
この年は私にとって、これまたスペシャルな1年でした。まさか自分がそういう道を歩むとは思っていなかった、というか。
たとえば、理科の先生なのに社会を教えることになろうとは思いもしなかったのです。

そういえば、家庭科やったこともあったって言ってましたよね?

ええいっ!人の過去歴史をほり返すんじゃない!

(実験やって、調理実習やって、
白衣着て、エプロンつけて…涙)

おーい!かに先生、目がいってますよー(あーぁ)
話が逸れましたが、でも私にとって「社会の先生になる」というのは、高校1年までの夢ではあったのです。歴史学者や考古学者に憧れていました、いや今でも。
令和4年度 卒業文集メッセージ「Feel Special」
「花壇に花の苗を植えますよー」と言えば「花粉症になるからやだ~(笑)」と返ってくる。
「今日は草むしりをやりまーす」と言うと「環境破壊だ~(笑)」と突っ込んでくる。
そんな感じのやりとりが楽しかった。
苗植えも草むしりも、全くもって人間の都合なわけで、言い返したいのは草花の方かもしれないよなんて思った。
世界が「持続可能な社会の実現」と言い出して何年たったか。
SDGsの17のロゴマークをどれだけ見てきたか。
世界で何回の原爆実験が行われたか。
問題は、これら地球の課題が全人類で解決するものであること。
先進国だけでは無理だし、途上国にもできないし、日本だけでは無謀である。
ただ何もしなければ、いつか資源は枯渇し、砂漠に蝕まれ、津波に飲み込まれるだろう。
どうしたらいいのか?
AIが人類の仕事を肩代わりしようと学び続けている。
すでにスマホ、カーナビ、チャットボットはかつての私たちの仕事をしている。
最近では声と歌詞と映像を別々のアーティストが作って、メタバースでライブを開催している。
未来には誰がいるのか?
花の苗を植えるのも、雑草を抜くのも、すべて私たちの手がやること。
校庭を駆け回るのも、弱者を踏みつけるのも、すべて私たちの足がやること。
相手を罵倒するのも、歌声を響かせるのも、すべて私たちの口から出る言葉。
私たちは自分の体を通して世界とアクセスし、自分の心を介して他者とコンタクトしている。
その先に見つけたいものは何だろうか?
答えが重要なのではない。大切なのは、問いを立てること。
学校の勉強を通して、ググれば出てくる答えを覚えるのではなく、AIが考えた答えをひけらかすのでもない。誰も考えつかなかった問いを見つけること。
どうしてリンゴが落ちるのか?
もしかしたら地球は丸いのかも?
宇宙から届くノイズは何を意味するのか?
きっとみんな、不思議に感じたときに、ワクワクしたに違いない。
これからも学び続け、問い続けてほしい。
疑問は好奇心であり、エネルギーであり、世界への窓であり、明日への希望である。
社会の先生になる夢と、男の子を抱っこするという夢を叶えてくれてありがとう。
君たちの成長を、これからも信じている。卒業、おめでとう。
社会の教材研究とか、K-POPとか、SDGsとか、Youtubeとか、いろいろなことを教えてもらった学年でした。
これもいつかいい思い出になるといいな、と思います。