中学校2年生で化学反応を学ぶ機会に、炎色反応についても話してみたいと思います。
むかしの選択理科では定番のネタでしたが、教科書からも炎色反応ができなくなってしまって本当に残念です。
ただ薬品庫にはストロンチウムがまだあることもありますし、酸化還元の学習では銅線をガスバーナーで加熱することもあります。炎色反応に触れる機会はあると思います。

かに先生、このあいだは花火大会に連れて行ってくれて、ありがとうございました。

いや、こちらこそ付き合ってくれてありがとう。
家庭用花火のマメ知識
手持ち花火の種類
手持ちの花火、とくに線香花火を長くもたせるには、着火前に火薬が入っている先端部分の紙をねじって空気を抜くのがコツです。先端からじわじわと燃え、玉が落ちずにより長く楽しめます。
手持ち花火には「ススキ花火」「スパーク花火」「線香花火」「変色花火」「手筒」の5種類があります。
地面に置く花火の種類
地面に置いて着火する家庭用花火としては、「噴出し花火」「ねずみ花火」「へび花火」「ロケット花火」「爆竹」などがあります。
昼間に打ち上げる花火の種類
昼間に打ち上げる花火には「パラシュート」、運動会の告知などに使われる「音花火」、色の付いた煙を出す花火などがあります。

打ち上げ花火のマメ知識
打ち上げ花火とは
花火玉は、紙を固めた「玉皮」のなかに、「割薬」と粒上の「星」の2種類の火薬が詰められています。
割薬は空中で花火玉を破裂させ「星」を遠くまで飛ばし、「星」は飛び散りながら美しい色や光を放ちます。
最も大きな花火は四尺玉で、大きさは直径120cm、重さは350kgです。開くと直径800mにもなります。
打ち上げから1.5kmくらいならきれいに見られますが、最近は音楽に合わせて打ち上げる花火も人気です。あまり離れると花火と音楽のタイムラグが生じてきます。
打ち上げ花火の種類
打ち上げ花火は、「割物」「ポカ物」「半割物」の3種類があります。
割物
「割物」はいわゆる丸い花火で、ドーンという大きな音とともに「星」が飛び散り、丸く美しく広がっていきます。
「菊」「牡丹」「冠」「万華鏡」「型物」などがあります。
ぽか物
花火玉が2つにポカっと割れて、中には行っている星やパラシュートが出てくる花火です。
「柳」「蜂」「花雷(はならい)」「飛遊星」などがあります。
半割物
割物とポカ物の間のようなしくみで、上空で大玉が割れたあと、ちょっと遅れて小玉が割れて開きます。
「千輪(せんりん)」「小割(こわり)」などがあります。
スターマインは打ち上げの方法
スターマインは速射連発という花火の打ち上げ方のこと。1回の点火で、多くの玉を打ち上げます。
そうでないものは、1発ずつ打ち上げる「単発打ち上げ」です。

花火の色は炎色反応
ここからは理科っぽい話をします。花火は炎色反応の色です。
原子発光の色
紅色…ストロンチウム(Sr)
橙色…カルシウム(Ca)
黃緑色…バリウム(Ba)
青緑色…銅(Cu)
黄色…ナトリウム(Na)
淡紫色…カリウム(K)
青紫色…セシウム(Cs)
紫色…銅とストロンチウムの混合物
銀色…アルミニウム(Al)
金色…チタン合金(Ti)
分子発光の色
深紅色…塩化ストロンチウム(SrCl)
ピンク色…水酸化ストロンチウム(SrOH)
緑色…塩化バリウム(BaCl)
青色…塩化銅(CuCl2)
薄緑色…水酸化銅(CuOH2)
淡赤色…酸化銅(CuO)
黄色…シュウ酸ナトリウム(Na2C2O4)、炭酸カルシム(CaCO3)
せめて、原子発光の色だけでも知っていると、花火のたびにウンチクを楽しめると思います。

デート中はほどほどにしたほうがいいですよ。
新しい花火の色
エメラルドグリーン
レモンイエロー
オレンジ
水色
スカイブルー
ジャパンブルー
調べてみましたが、まだまだ企業秘密なのでしょうか、どのような火薬を使っているのか分かりませんでした。
花火で作れない色
以上のように、さまざまな色が作れるようになっていますが、黒だけは作れていないそうです。

たしかに暗い夜空に黒い花火もどうかと思いますが。(ウンチクふえたーニコッ)

目がキラキラしてる…コワッ(またウンチク聞かされるのか~)

まとめ
コロナ禍が収まってきて、花火はまた生活に身近なものになってきました。
中学2年の理科では、化学変化を学びます。むかしはこんな語呂合わせで覚えましたね。
リアカー 無き K村 動力 借りるとう するもくれない、 馬力 で行こう
Li (赤) Na (黄) K (紫) Cu (緑) Ca (橙) Sr (紅) Ba (黄緑) で行こう
「玉屋、鍵屋の話」も面白いですが、理科の先生たるもの炎色反応を語りたいものです(嫌われない程度に)。