【防災教育】高層ビルが増えた今だからこそ長周期地震動まで学ばせたい

防災教育
えび先生
えび先生

このあいだの地震、すごく揺れましたねー。駅ビルのなかにいたからビックリしましたー。

かに先生
かに先生

震度はそれほどでもなかったから、長周期地震動だったのかもしれないね。

えび先生
えび先生

ちょーしゅーきじしんどー?

かに先生
かに先生

なんですか、そのリアクションは。人気アニメに影響うけてませんか。

東日本大震災でおきた長周期地震動

長周期地震動は2011年の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)で、広く知られるようになりました。

首都圏の超高層ビルが長い時間、大きく揺れました。最長13分間、最大1.08mもビルが揺れたそうです。固定していなかった家具が動いたり、倒れたりしました。

地震では、ガタガタと小刻みな揺れもあれば、グワングワンという大きな揺れもあります。さまざまな揺れのちがいは「周期」のちがいによるものです。

2秒~数十秒という長い周期の地震の揺れのことを「長周期地震動」といいます。

中学校の理科では、地震というと「初期微動」と「主要動」を教えるわけですが、防災教育というときには、この「長周期地震動」のことも考えてみてほしいと思います。

 

新宿高層ビル群でみられた長周期地震動

 

物体には固有振動数がある。建物にも固有振動数がある。

音の学習で学ぶように(学ばせたい)、物体には固有周期(固有振動数)があります。ワイングラスに固有周期があるように、建物にも固有周期があります。(振動数と周期は逆数の関係です。)

高さが高い建物は固有周期が長く、低い建物は固有周期が短いです。

地震の周期と建物の固有周期が一致すると「共振」して、揺れが増幅し、建物が大きく揺れることになります。

東日本大震災では長周期の地震動と、首都圏の超高層ビルの固有周期が一致して、長い間大きく揺れたのです。

阪神・淡路大震災では短かい周期の地震動で、背の低い建物、つまり木造住宅で多くの被害が出たそうです。

 

「震度階級」だけでなく「長周期地震動階級」もある。

地震の揺れの大きさは「震度」で表しますが、これは地面の揺れの大きさであって、そこに建っている建物の高層階での揺れではありません。また、長周期地震動は震源から遠くはなれた場所、数百kmはなれた場所でも伝わります。

そこで、気象庁は「震度階級」とはべつに「長周期地震動階級」を発表しています。高層ビルにおける被害の程度や揺れの大きさを4つの段階に区分したものです。

マンションに住んでいる子供は珍しくないですし、商業施設もどんどん高層化しています。地震に対する理解を深めるために、この「長周期地震動」も取り上げてほしいと思います。

 

階級人の体感・行動室内の状況備考
室内にいたほとんどの人が揺れを感じる。驚く人もいる。ブラインドなど吊り下げのものが大きく揺れる。
室内で大きな揺れを感じ、物につかまりたいと感じる。物につかまらないと歩くことが難しいなど、行動に支障を感じる。キャスター付きの家具類などがわずかに動く。棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。
立っていることが困難になる。キャスター付きの家具類等が大きく動く。固定していない家具が移動することがあり、不安定なものは倒れることがある。間仕切壁などにひび割れ・亀裂が入ることがある。
立っていることができず、はわないと動くことができない。揺れにほんろうされる。キャスター付きの家具類などが大きく動き、転倒するものがある。固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある。間仕切壁などにひび割れ・亀裂が多くなる。
長周期地震動階級(気象庁HPより)
気象庁|長周期地震動に関する情報