【防災教育】もしも避難生活で「寝る」としたらどうするか?

防災教育

避難生活に備えようとしたときに、まず考えなくてはならない基本となるものは「衣食住」です。

今回は「住」についてです。

「住」とはつまり、どこで避難生活を続けるか、どこで被災生活を乗り切るか、ということです。

自宅にいられない場合、親戚等に頼れない場合、多くの方は避難所に行くことになると思います。

避難生活でいちばん大切なのは心身ともに消耗しないこと

ここ数年の新型コロナウイルスのまん延により、避難所も様変わりしてきました。

以前のように、体育館の床でみんなで雑魚寝する、という避難生活は難しくなったのです。

幸か不幸か、人と人との距離を取るように、ソーシャルディスタンスを取るように、様相が変わってきています。

 

少しでも安心して睡眠を取るために

避難生活は長期化すればするほど、体力を奪います。少しでも寝て体力を回復したい、体力を温存したいと思うでしょう。

精神的な疲れから蝕まれるといってもいいかもしれません。

しかし、大勢の人の気配を感じる中で眠りにつくのは難しいものです。そんなときに思いつくのは耳栓やアイマスクです。

ただ、防犯にも気をつけなくてはいけません。財布や鍵などの貴重品は枕の下に入れておくなどの工夫が必要です。これだけ聞いても、熟睡は難しいのだなと分かるはずです。

ダンボールを下に敷いて、硬い床で寝るというのは、思う以上に疲れます。せっかく寝たとしても、精神的な疲れから体や心が蝕まれてくるといってもいいかもしれません。

せめて寝具だけでも揃えたいと思います。まずは寝袋、あるいはマットです。アウトドアを趣味にしていれば抵抗はないかもしれませんが、どんなものをどれだけ購入するか、検討する必要はあると思います。

 

プライバシーを守るためにはテントが一番

避難生活では、自分のスペースを確保することは大切です。長期化すればするほど、食料品や日用品物はどんどんと増えてくるからです。

たとえば洗濯物もそうです。何日間か同じ服でも平気だ。着替えなくてもいい。と思うかもしれませんが、それが1週間、1ヶ月とつづくとしたらどうしますか。

毎日の着替えもそうですが、衣類をどこに置くか、洗濯はどうやってするか、洗ったとしてどこに干すか。自分だけではありません。家族がいればそれだけ大量になってきます。

プライバシーを守ることは、精神的なリラックスには大切なものです。男性、女性問わず、考えて見なくてはいけません。

プライバシーを守りたいと思うと、テントが一番です。プライバシーを守るだけではありません。コロナ禍で、ソーシャルディスタンスを取ることも考えなくてはいけません。

最近は、自治体でテントを用意しているところもあります。自分の住んでいる自治体が指定する避難所には、どのような物資が蓄えられているのか、機会があれば調べてみるといいかもしれません。

 

イタリアは1つのテントに1家族が入居できる

最後に、イタリアの避難所についても紹介しておきます。イタリアも日本同様に、火山や地震の多い国です。島国ではなく半島ですが、周りが地中海に囲まれているのも、なんとなく日本に近いものを感じます。

さて、そんなイタリアで災害が起きたときに建てられる避難所はどのようなところでしょうか。

このように、イタリアの避難所は家族単位でテントが与えられ、一人一つの簡易ベッドが与えられます。体育館で雑魚寝、なんてことにはならないのですね。

もちろん、イタリアの避難所に問題がないとはいいません。次に行く仮設住宅の建設が遅いとかです。

しかし、きちんとしたシェフが来て食事を作ってくれるとか、さまざまな専門家が国のボランティアにあらかじめ登録していて、災害時には仕事を休んで派遣していいことになっているとか、日本ではできていないこともあります。

他国の良いところは真似て、「安心して眠る」という人としての最低限の人権は守れるようにしていきたいものです。