風通しの良い職場環境は「ビロンギング」が高い

 管理職として

働き方改革の管理職からの話や、教育委員会からの文書に、『「風通しの良い職場環境」を作りましょう。』ということがよく出されます。

風通しが良い職場というと、立場や経験を問わずに、何でも言い合える職場というイメージです。

最近だとダイバーシティやインクルージョンなどの概念だけでなく、ビロンギングという考え方も出てきました。

今回は風通しの良い職場環境とはどのような場所か、職員室でそれを作っていくための取り組みについて、書いていこうと思います。

風通しの良い職場環境とは?

風通しの良い職場環境とはどのようなものでしょうか?ご自分の学校と照らして考えてみてください。

1.信頼関係が構築されている

(1)オープンなコミュニケーション

全職員を対象とした定期的な個人面談や、必要に応じた個別の面談を通じて、管理職と先生方の間でオープンに意見交換ができる環境を整えるようにしましょう。

校長室の扉は開いていますか?教頭先生の前はオープンになっていますか?

(2)フィードバックの重視

先生方の授業や学級経営について、建設的なフィードバックが行い、先生方が成長できるようサポートしていきましょう。

研究授業のときだけでなく、日常的な観察と声掛けが大切になってきます。

2. 明確なビジョンを共有し、組織する

(1)組織の目標やビジョンの明示

組織全体で共通の目標やビジョンを持ち、それに向かって一丸となっていますか。いわゆる「一枚岩」ですね。

学校経営ビジョンやグランドデザインなどいろいろな言われ方をしますが、これらは大きく印刷して職員室や校長室に掲示しておくようにしましょう。

そして貼って終わりではなく、その中から1つずつピックアップして具体的な取り組みにします。管理職の企画力が求められます。

(2)継続的な教育と研修

メンバーが組織のビジョンや価値観を理解し、それを実践できるようにするための研修を行うようにします。

全体的には、ICTの活用の仕方について講師を呼んで研修を行うこともできます。不登校対策について講演を行うことも考えられます。

個別には、メンター制度やOJT制度を採り入れます。職員の年齢構成にもよりますが、再任用された退職校長や50代のベテランの先生に、若手の育成を依頼しましょう。各主任を任されるような学校の中心となる先生にお願いしてもいいと思います。

育成と言っても大げさなことはありません。ちょっと意識的に若手の働きぶりを見て、気づいたことを伝えてあげる。若手が「ん?」と思ったときに、パッと話しかけられる。そういう関係を作っておきますと、職員室で先生方に周知するのです。

管理職は任せきりにするのではなく、メンターの先生、主任の先生のスーパーバイザーを務めます。

  

3. 多様性から包摂性へシフトする

(1)多様性(ダイバーシティ)

異なる背景やスキルを持つメンバーを尊重し、その強みを活かします。

同じ教科の先生でも得意分野は違います。理科は物理・化学・生物・地学があります。音楽には合唱と合奏があります。各教科、各先生にそういった違いがあります。

学級担任をしていても地元出身か、他地域から来たのかで考え方が違います。たとえば、総合的な学習の時間で地域学習したときにスタンスの違いが出てきます。

(2)包摂性(インクルージョン)

すべてのメンバーが自分の意見を表現できるようにします。

パソコンやカメラが得意な先生、合唱指導ができる先生、クラブチームの運営に関わっている先生、被災経験のある先生、義両親の介護もしている先生など、それぞれの先生の多様なバックグラウンドを尊重します。

そして、その経験から出されるアイデアや意見を、みんな同じように聞いていくようにします。

職員室のビロンギングを高めていく

(1)ダイバーシティ、インクルージョン、ビロンギングとは

ダイバーシティ(多様性)は、さまざまな先生がいることを認めようという考え方です。

インクルージョン(包摂性)は、さまざまな先生の先生が参加できるようにしようという考え方です。

ビロンギング(帰属意識)はこの2つの次にくる考え方です。

 

ビロンギングとは、すべての先生が、その職場で自分が受け入れられ、尊重され、安心して働けると感じることです。

身体的・物理的な安全性や快適性はもちろんのこと、先生方が安心して働けるように、メンタルヘルスを重視して必要なサポートを提供できるようにしておきます。

さらに、先生方がチームの一員として自分の意見を自由に表現できる雰囲気、チームの一員として認識されることでの安心感が大切になります。つまり、自分らしくいられるということです。

  

(2)ビロンギングを高める具体的な取り組み

これまでの取り組みと重複するところはありますが、ビロンギングを高めるための具体的な取り組みいくつか挙げてみます。

オープンドアポリシー

管理職がいつでも相談に応じる姿勢を示しましょう。校長室のとびらを暖簾(のれん)にする、教頭先生の机の前に書類を並べないなど、言葉だけにせず、見える形で示すようにします。

定期的なフィードバック

各先生と個別に面談し、進捗や課題について話し合います。人事評価制度が広まっていますが、先生方の年度当初の目標を忘れないように、管理職も把握しておきましょう。

多様性に関する研修会

ダイバーシティとインクルージョンについての理解を深めるための研修会を行います。管理職から指導主事やNPOなど、頼れそうなところへ連絡してみましょう。

管理職が受けてきた研修の内容を先生方に共有するでもいいと思います。

ワークショップや勉強会

学校のビジョンや目標に関連するテーマで勉強会を開催します。教頭先生や研修主任にファシリテーターをお願いしてみるのも良いと思います。

講師の先生方が採用試験に向けて勉強する時間や場所を確保してあげるのも大事です。学校はそういった先生方に支えられています。

同好会イベント

同好会のノリで、リフレッシュやチームビルディングのためのイベントを実施します。「若者会」をつくって飲み会をしたり、「スイーツ友の会」をつくってケーキを買って来たりします。バドミントン大会を開いたり、ダイエットクラブを作ったりしたこともあります。

大切なのは、好きなもの同士で集まるだけでなく、そこに他の先生たちが好きなように混ざれるようにします。先生方の関係性を認めながら、閉鎖的にならないように見守りましょう。

フレキシブルな働き方の導入

なかなか進まない男性の育児休暇、子育て休暇や、お母さん先生がのぞむ育児短時間勤務、誰でも直面する介護短期休暇などの休暇制度を活用します。

先生方が言ってこないからではなく、「こういうのがありますよ」と提示することで、気に掛けてもらっているという安心感につながればと思います。

先生の数、授業時数などで実現するのは難しいのは分かります。しかし、そこを調整して教職員全員のウェルビーイングを守っていくことが、管理職の務めでしょう。

ここを充実させていかないと、職員室のブラックな空気が抜けていきません。

  

まとめ

風通しの良い職場環境をつくるために、ビロンギングというキーワードを紹介しました。

  • オープンドアポリシー
  • フィードバック
  • 研修会、勉強会
  • 同好会イベント
  • フレキシブルな働き方

自分の立場を活かして、できそうなところから取り組んでいきましょう。