「学校現場で今すぐできる『働き方改革』目からウロコのICT活用術」新保元康(明治図書、2019)を紹介します。
管理職の先生方へのおすすめの本です。ぜひ読んでいただきたいと思います。
もちろん、働き方改革やICTというワードに反応する先生方にもおすすめです。
タイトルに「ICT活用」なんて入ってしまうと、パソコンをバリバリ使いこなしている人の本かなと感じてしまいますが、そんなことはありません。
むしろ、できる範囲でICTを活用しながら、小さな改善を積み重ねて「働き方改革」をしようという本です。
表紙に大きな字で書かれているとおり、「働き方改革」について実現可能なレベルにまで落とし込んで書かれていると思って、手に取るといいと思います。
【目次】学校現場で今すぐできる「働き方改」
まえがき
第1章 現場は「改善」で進もう
日本の小学校教師は千手観音
みんなで創り上げてきた、世界に誇る日本型学校教育
日本型学校教育は、さらに多くを期待されている
そして、新学習指導要領全面実施が迫る
学校の働き方改革実現のためには教師を増やしたい…が
「改革」は国と教育委員会、学校は「改善」
学校改善の鍵1:学校を変える主役は我々教職員
学校改善の鍵2:ICTは使える! そして+αのアイデアが必要
学校改善の鍵3:日常を変える
思い込みを超えると、+αのアイデアはどんどん広がる
人手不足は急速に進行中、準備が急がれる
column 着任したらまず掃除する
第2章 ICT+αで学校の日常を改善するアイデア
1 ICTで子供ファーストの朝をつくる
2 職員会議は年4回に精選する
3 ICT+αで全校の状況を把握する
4 学校と家庭で作る6年間通知表
5 ICT+αで安全・安心な学校をつくる
6 ICTで日常の一斉授業を改善する
7 情報を守り共有する「ワイガヤ」職員室
8 ICT+αの前に必要なインフラ整備
column 忘れられないあの日のメール
第3章 改善を実現するためのヒント
時間とコストは切り下げ、質を向上させる
予算をかけるべきところにかける
「学校に無駄はない」この気持ちを超えられるか
次の仲間のために、「今こそ、変える」覚悟を
「痛くない手術はない」見通しを示し励ます
小さな成功に光を当て共有する
「知らせる努力・知る努力」が究極の情報共有
軽やかに日常授業の改善を図る研究も大切
確かな教材を徹底的に使う
ミドルリーダーを育てる企画会議
来客は歓迎し、日常の学校を見ていただく
ボトムアップを実現するために必要なリーダーシップ
column トランシーバーで情報共有
目次を読むだけでもワクワクするアイデアが湧いてくる本というのは、まちがいないないです。
どんなアイデアでも「自校化」しないと使えない
こんなことを管理職の先生方に向かって言うのは失礼かとは思いますが、「自校化する」という考えは忘れてはいけません。
どんなに素晴らしいと思えるアイデアも、それをそのまま自分の学校に持ってくることは難しいと思います。
構成する教員、子供の数、地域などすべての条件が同じなどあり得るわけないのですから、自分の学校に合わせて調整する必要があります。
校長、教頭で話し合ってみて難しそうに思うときは、それこそミドルリーダーや若手に「こんなことをやりたいんだけど、どう思いますか?どうやったら本校でもできそうですか?」と相談してみてください。
根回しという意味でも、若手を育てるという意味でも、大切なプロセスだと思います。
学校を少しずつ変えていくアイデアがどんどんわいてくる本です。ぜひ手にとって読んでみてください。