形成的評価のために3つの評価スタンプを机間指導しながら捺していく

 理科の授業

久しぶりに授業に関するネタを。。。

授業中に見取りをする『形成的評価』について、自分なりの課題がありました。

今回は、よく教師のテーマになる『指導と評価の一体化』を、自分なりに解決したと思っている方法です。

  

指導と評価の一体化を模索してきた

授業中、生徒にじっくり考えさせて思考力を高めようと、ワークシートに考察を書かせます。

安易に指名して、一人の生徒に発表させてしまうと、それ以外の生徒は思考停止になります。

書いてくれないと客観的に評価できません。だからじっくりと待ちます。

(Amazonで買ったら思ったよりも小さかったので、数えるとき苦労するかもしれませんね。)

  

いい考えには丸シールを貼る。

ワークシートを見て回り、『評価OK』となったときに、黄色の丸シールを貼っていた時期もありました。

そのときは、思考・表現としてOKな内容のときに貼るようにして、シールの数を数えて単元ごとに評価に加えていました。

生徒はシール欲しさにがんばっていました。ただの丸シールなのに…。

ただ自分としては左手にシール台紙を持って右手で貼って歩いているのがイヤになってしまいました。

机間巡視に時間がかかって、作業効率が非常に下がります。

  

できた生徒には赤丸をつける。 

シールの代わりに赤ペンを持って回ったこともあります。

しかし赤ペンでは○をつけてあげることはできますが、生徒としては価値が薄い。

しかも、ねつ造されても判別しにくい。(した生徒はいなかったけど)

計算問題を練習するときなどには、採点という意味ではいいのでしょうが、テストでもないのに赤丸の数を数えて評価するのは難しい。

シールでも赤ペンでも、一番評価しにくい思考・表現についてばかり評価することになってしまいます。

他の観点については評価のしようがなくなってしまいます。

  

指導と評価の一体化をする「評価印システム」

それでは、今も続いている「指導と評価を一体化する方法」を紹介します。

まずは浸透印タイプのスタンプを3種類、買ってきます。

これで「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「主体的に学習に取り組む態度」を、それぞれ評価していきます。

そのままでは使っているうちに混乱して絶対に分からなくなると思うので、テプラで「知技」「思表」「態度」と作ってスタンプの横に貼ります。

授業のときには、スタンプを1つ持って机間指導に入ります。書いているものを見たり、発言を聞いたりして「OK」なときには、生徒のワークシートに捺していきます。

  

観点ごとの評価印を決め、評価基準・評価規準を決める。

指導案を書くときに(頭の中の略案だとしても)、「技能」について評価すると決めてあったなら、机間指導のときに「技能」について評価することを意識して回ります。

次に「知識・理解」を評価するのであれば、スタンプを持ちかえてもう一周します。一斉指導型の授業でも、1時間で3回~5回は周ります。

クラスによって評価観点が変わってはいけないので、指導案(略案)だけでなく、自分のワークシートにも押しておくようにします。

生徒のどういうところ(書いたもの、話したこと、やったこと)をどう評価するのか、自分のなかで評価基準と評価規準を決めておかなくてはいけません。

一番カンタンなのは、ワークシートに書けていたらB、書けていなかったらC、期待以上だったらAとしています。

(念のため言っておきますが、1回の授業で全ての観点について評価する必要はないです。)

  

机間巡視でハンコを押しながら評価する。

私の授業はワークシートを使っています。ノートは使いません。そのため、ハンコはワークシートの端っこに押します。場所を決めておいたほうが、生徒も後から数えやすいと思います。

B評価であればハンコ1つ、A評価に達していればハンコを2つ押します。C評価であればハンコを押しません。押さない代わりに、個別に声をかけていきます。B評価に押し上げるのです。

浸透印タイプのハンコにすることで、片手で作業できるし、3つの観点全てについて授業の中で生徒の目に見える形で評価できるようになります。

生徒も「ハンコをもらえた。」=「自分はちゃんとできた。」「先生は見てくれた。」と思えるはずです。

  

ハンコを押すことでC評価からB評価へ押し上げる。  

ハンコを押されなかった生徒はあれ?っとなります。先生はどんどんハンコを押していくのに、自分のところは押してくれなかった。何がいけないんだ?と思うわけです。

その場でさっと声を掛けます。「ここ、書いてない所あるよ」「この言葉を使うように言ったよね」「ここの計算が間違っているよ」「この漢字間違っているよ」

生徒はあっと気がついて直し始めます。直し終わるのを待っていられないので、こちらは次の生徒に移ります。こちらも、瞬時に見分けられるように「見る目」を鍛えていかなくてはいけません。

一周したら、もう一周して先ほど押せなかった生徒のところに戻ります。直っていれば押してあげることができますし、駄目だったら個別に詳しく説明します。

多くの生徒がつまづいていると分かったら、一周した時点でもう一度黒板で説明します。漢字を大きく書いたり、計算ミスしやすいところを確認します。

こうすることで、C評価の生徒を放置せずにB評価まで持ち上げることができます。ハンコを押してもらえて、生徒もホッとしています。

  

ハンコにつられてB評価の生徒がA評価になっていく。

B評価があれば良いのですが、ときおりこちらの期待を超えてA評価をしたくなる生徒が出てきます。

実験結果や自分の考えを元に、正しくしっかり記述できている。先生が言ったことをしっかりメモしている。自分の疑問をもとに質問したり、話し合ったりして課題を追究している。

そういう生徒にはハンコを2個押します。生徒はビックリしますが、「よく書けているね」「よく考えたね」「先生は嬉しいな」などと小さく声を掛けて離れます。

しかし周りの生徒はそれに気が付きます。どうしてハンコが2つもらえるのか、自分とは何が違うのか。その子を中心に「どうして?」「なるほど、そこか」「あぁそういうことなんだ」と話し合いが生まれます。そして次々に自分のワークシートに書き加えていきます。

こうすることで、B評価だった生徒がA評価をもらえる生徒へ成長していきます。

  

ハンコの数を数えて形成的評価として点数に加える。

単元に入るときに、単元シートという色キリン紙のプリントを配ります。1時間毎の感想、自己評価を書く表ですが、その下に3種類のハンコを押しておきます。

単元の最後に、生徒自身にハンコの数を数えさせて、単元シートに記録してもらいます。形成的評価として点数に加えることを説明します。

「ハンコの数を数えて、単元シートに記録してください。その数を評価に加えます。」

点数化の基準としては、市販の単元テスト1問が5点というのが分かりやすい基準です。サンデープレゼント(週末課題)も出したら1枚5点です。

ハンコは1つで1点です。1回の授業に出れば3個くらいハンコが押されるので3点になります。授業を休んでしまうとハンコがもらえないので形成的評価で稼げなくなります。

テストで満点取るほどではないですが、地道にかせぐ方法だと生徒たちには感じられます。

だから私の授業でサボる生徒はいません。寝る生徒もいません。そんなことをしてハンコがもらえなかったら、明らかに損すると分かるからです。

  

評価印システムを支える準備してきたもの

こういう机間指導・個別指導ができるのも、パワーポイントを使うことで、黒板に書く時間を短縮したおかげです。

また、ワイヤレスプレゼンターを持って歩いて、黒板に戻る時間を短縮したおかげです。

大型モニターとワイヤレスプレゼンターと3つの評価印は、私の授業の3種の神器となっています。

  

ワークシートも毎回ブラッシュアップしながら使ってきました。基本、発問しか書いてありません。ときどき考察で使う模式図や、実験結果をまとめるグラフや表が入ります。生徒が自由に書き込みやすいように白いところが多く、穴埋めするだけのワークシートではありません。

ずっと使っているので生徒がどんなことを書くのか、どんなつまずきをするのかも分かってきました。このへんは、教員としての経験が必要かもしれません。

化学反応の様子を凝視するように、生徒のワークシートもものすごい集中力で見取っています。漢字の書き間違い(示偏礻と衣偏衤とか)もたいてい見つけます。

  

指導と評価の一体化に悩んでいらっしゃる先生がいたら、まず1個だけでも、浸透印タイプのスタンプを持ち歩いてみてください。こどものかおシリーズはたくさんあるので、選ぶだけで楽しくなりますね。

4観点だった頃に書いた記事(参考にどうぞ)

評価が4観点だった頃に書いた記事です。観点ごとにスタンプを押す基準などを詳しく書いています。ぜひこちらもお読みください。

指導と評価の一体化を4つのスタンプで実現する
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