【教育実習生へ】7日目への所見と解説

 教育実習

こんばんは、katooです。

かつて教育実習生を引き受けて、学級担任の仕事などを話したことがありました。

毎日放課後になると、教育実習生が「実習日誌」をもってくるので、わたしも手書きでコメントを返していました。

そのときの下書きがパソコンに残っていたので、公開したいと思います。

これから教育実習に向かう大学生、教育実習生の指導に行う先生の参考になれば幸いです。

 

7日目、教育実習生へのコメント

どのような場面でどのような学習形態が適切か考えておくことで、授業が活性化します。

個人の意見でも、ペア、学習班(4人)、生活班(6人)、チーム(10人程度)、全体へと広げて練り上げていくことで、生徒が自信をもって発言できます。

机間巡視で指名の順番を決めながら、個別指導して勇気づけていくことを意識してください。

間違いに価値を見出せる雰囲気を作ることも大切です。

さまざまな先生の授業からスキルを学んでいきましょう。

授業作りを楽しんでください。

 

コメントの解説・意図

「はい、話し合って」と言われて、話し合える学級は相当高いレベルのクラスですね。

これまでの話し合いの仕方の指導の積み重ねがあり、基本的な学習訓練があり、明確な課題設定と論点の整理といった授業の構想がしっかりしている証拠です。

まず経験のないクラスでは、まったくの沈黙のまま、教師の困惑だけで時間が過ぎます。もしくは、ほとんどの生徒同士の雑談で終わってしまいます。

やはり最低限、何について話し合うのか、ポイントだけは抑えさせなければいけません。

先生のほうがそういうことを考えて、授業に臨まないといけないのです。「話し合って」と”思いつき”で言うことほど横暴なものはないでしょう。

 

では、どうするか。その方法の一つは、隣同士で話し合わせてみることです。

英語科では英会話の練習として、ペア(2人)で話すことは慣れていると思います。英語の授業を見に行ってみてください。

何について話すのか確認して、隣同士で話し合わせると、子ども達も「こういうことでいいんだよね?」と確認も含めて話ができます。

このときタイマーを用いて、「じゃあ(◯◯について)隣の人と話し合ってみて。時間は3分くらいでいいかな?」などと時間制にします。1分では短すぎ、5分では脱線してしまいます。

お互いに話し合いの論点が確認できれば、少し自信を持って次の段階へ行けます。

つぎは全体での話し合いでもいいのですが、少人数グループにするのもいいです。

特に理科室で実験や観察をした場合、実験台ごとに話し合いたい(話し合っている)はずです。

そこで、「じゃ、次はペアで出た意見を班で話し合ってください。また3分ね。スタート。」という感じです。2人のうち自信のある生徒が、ほかのペアに対して話し始めるはずです。

 

このときの「班」は実験班ですが、教室ではそうではないこともあるでしょう。

わたしは、よくある6人程度でつくられる「生活班」のほかに、4人程度でつくる「学習班」というものを設定しています。

時間を3分以上取ったとしても、6人だと何も言わないで終わる生徒が出てきます。4人だと逃れることができません。

もちろん敢えて、話せなくてもいい生徒がいる場合もあります。課題が難しく、自分の意見を持てないでいる生徒がいるときなどです。

話し合いの内容や、課題の難易度に応じて、あらかじめ決めておくと良いと思います。

「じゃあ、つぎは班で話し合います。4人の学習班をつくってください。机、動かしましょう。」
「順番に意見を交換してください。生活班をつくりましょう。静かに机動かして。」

こんな風に指示を出しています。

 

ここまで机間巡視しながら、生徒一人ひとりの声を聞いていきます。「ああ、なるほどね。」「おー、いいこというね。」「そう、それで!?」などとリアクションを挟んであげることで少しずつ自信をもたせます。子ども達も「え、これでいいの?」「えーっと、だからだから」「この方向でいいらしいよ。」などと話し合いを進め始めます。

 

授業というのは、教師と生徒の合作です。双方が授業という車の両輪となって動かしていくのです。

片方だけが頑張っていてはうまくいきません。それではどこかで堂々巡りになるか、脱線するか、停止してしまいます。

ゴーカート(もしくは2人乗り自転車)に乗って、2人でハンドルをにぎっているとイメージしてみてください。

教師として、生徒の間違いもうまく活かしながら、操縦してあげる必要があるでしょう。「なにやってんの!?」と叱責ばかりしていては、動くものも動かなくなってしまいます。

楽しい授業をつくるのは、教師ではありません。教師と生徒、双方の意識が大切、必要です。そんな風に思っています。