こんばんは、katooです。
かつて教育実習生を引き受けて、学級担任の仕事などを話したことがありました。
毎日放課後になると、教育実習生が「実習日誌」をもってくるので、わたしも手書きでコメントを返していました。
そのときの下書きがパソコンに残っていたので、公開したいと思います。
これから教育実習に向かう大学生、教育実習生の指導に行う先生の参考になれば幸いです。
8日目、教育実習生へのコメント
生徒との関わりの中で、生徒の課題を見つける姿勢は素晴らしいです。
そこから、どのように課題に気付かせ、自ら解決に向かわせるか、
計画的・組織的に援助し、生徒に内在する力を引き出すのが教師の仕事です。
授業は発問が命ですね。
コメントの解説・意図
このときは、教育実習の先生が生徒同士の会話の中で、SNSをつかってトラブっていることを見つけだしました。
スマホ、SNSの使い方の指導は、いまの子ども達へは必須事項の一つですね。
年齢が近いからこそ、そこに気を許して、生徒が何でも話してくれたといったところです。
年齢が上がってしまうと、そういう会話は注意深くしていないと聞こえてきません。生徒が警戒して、先生の近くでそんな話題を出しませんから。
今回は「LINEを送ったら、それに対して素っ気ない一言しか返ってこなかったから、ムカついた。」というような内容でした。
この先生の素晴らしいところは、生徒の会話を聞いて、それを課題として認識したことです。
「へー、そうなんだぁ。」で終わらなかった。(これはまずい。聞かなかったことにしよう。)としなかった。
それを担任(わたし)へ報告し、どのように指導していくか相談したことが、教師として素晴らしい感性だと思いました。
実習生とは、教育実習も1週間が経ったので、そろそろ指導案を作り始めないとねと話していました。
わたしはこの報告を聞いて、これを道徳の授業の題材として取り上げられないかと思いました。
担任としてスマホの使い方について、いきなり指導することもできますが、それは根本的な解決ではありません。上から押さえつける指導であって、子ども達の内面には響きません。
このあと、実習生はわたしと相談しながら、わたしにとっても、子ども達にとっても、素晴らしい指導案・授業をつくることができました。
いつまでに指導案を完成させ、いつ授業をするのか。見通しを持っておきます。
それまでに朝の会や帰りの会でどのような話をしていくか。(これをわたしは「ジャブを打っておく。」と言っています。)
計画というのは、学校行事だけではありません。このような1時間の授業に対しても作戦として練っておくといいです。
もともとの道徳の年間指導計画から外れることにもなるので、説明責任を果たすためにもなおさらです。
実習生の授業とはいえ、その授業の結果は学級担任に返ってきます。実習生・担任・場合によっては学年主任などと話し合っておきます。これが組織的ということです。それぞれの立場でできること、取れる責任があります。
このようなことがあって、子ども達に内在する力を引き出す授業を作っていくことができます。
授業は教師一人の力ではできません。
子ども達に課題があり、もしくは着けてほしい力があり、そこに子ども達自身に気づかせ、取り組ませ、乗り越えてさせていく。
計画的に、簡単に言えば、日程の見通しを持って。
組織的に、簡単に言えば、先生方みんなで。
授業ひとつも、先生一人で抱え込む必要はありません。「どうしよう?どうしよう?」と言いながら、職員室に入ってくればいいのです。
教育実習、授業づくり、がんばっていきましょう。