【初任研】34「児童生徒の作品等の取り扱い」へのコメント

 初任者研修

初任研担当として、初任者の先生方の報告書にコメントを書いています。

指導の先生とのやり取りや、教室での実践を通して、皆さんが日々たくさんの学びを積み重ねている様子に、励まされる思いです。

この記事では、報告書には書ききれないような視点から、わたし自身の経験も交えてメッセージをお届けしています。

少し立ち止まって考えたいとき、ふとヒントが欲しくなったときに、気軽に読んでいただけたらうれしいです。

「児童生徒の作品等の取り扱い」へのコメント

作文、絵、書写などいろいろなものがあります。総合でつくった新聞や日頃の授業の履歴についても作品と言えるでしょう。

子供の作品には、守られるべき著作権や人格権があります。作品を通して、作品を介して、生徒が傷つけられることがあってはいけません。

掲示する場合には「これは掲示してみんなが見るからね」と宣言して、同意を得ていくこと。誤字脱字で恥をかかせないこと。作品へのいたずらをさせない・許さない・見逃さないこと。いつまでも掲示せずにリフレッシュしていくことなどが、留意点です。

英作文を貼るときや実験レポートを貼るときなどは、専門性を活かして丁寧に見てあげてください。

 

コメントの背景

このコメントの背景には、「作品は子供の表現そのものであり、丁寧に扱うことが教育の基本である」という意識があります。

教育計画に「掲示教育」や「掲示指導」の項を立てる学校もあります。環境教育や特別活動に含めている学校もあります。

学校では、掲示や発表を通して子供の頑張りを見せる機会が多い一方で、子供の気持ちへの配慮や権利の尊重が後回しになりがちです。

 

教師が気をつけたいのは、作品を「展示物」として扱うのではなく、「その子の心を映すもの」として向き合う姿勢です。

誤字や脱字のミスをからかわれたら、成長の機会ではなく、心の傷になってしまいます。作品を長く貼りすぎるのも、先生の関心の薄さを反映したものに見えてしまいます。

とくに今は「タブレットで提出してください。」とか「みんなにタブレットで共有します。」と言って、先生と生徒のタブレットのなかで済まされることが多いです。

しかし、それをプリントアウトして掲示することで、担任やクラスメイト以外からの声かけや承認、交流が生まれます。ぜひ億劫がらずに紙にしてあげてほしいと思います。

  

また、「専門性を活かして丁寧に見てあげてください」には、担任以外の先生も含め、全教職員が児童生徒の表現を支える存在であるべきだという思いがあります。

私も専門は理科ですが、生徒の英語の日記を辞書で確かめながら読んだことがありました。

作品の価値を守ることは、子供の人格を守ること。「作品へのいたずらをさせない・許さない・見逃さないこと。」も同様です。

その視点を学校全体で共有することが、コメントのねらいです。