初任研担当として、初任者の先生方の報告書にコメントを書いています。
指導の先生とのやり取りや、教室での実践を通して、皆さんが日々たくさんの学びを積み重ねている様子に、励まされる思いです。
この記事では、報告書には書ききれないような視点から、わたし自身の経験も交えてメッセージをお届けしています。
少し立ち止まって考えたいとき、ふとヒントが欲しくなったときに、気軽に読んでいただけたらうれしいです。
「総合的な学習の時間の評価」へのコメント
残念ながら、本校の総合的な学習の時間には不十分なところがあります。
実施計画、評価計画を立てて、3年間を見通した系統的な指導と評価が必要です。通知表に記載することが全員おなじになるということはないはずです。
同じことをしても、そこから何を学び、何を身につけるかは、一人ひとり違うからです。そこを見取ることができる成果物や発表、自己評価などをポートフォリオでそろえていけるといいですね。
次年度に向けて、のこりの総合の時間を大切に使ってください。たとえば、スポーツ大会で何を身に付けさせたいですか?
コメントの背景
総合的な学習の時間が導入されて何年が経ったでしょうか。
その学校の独自の魅力となるものを確立する学校もあれば、いまだにさまざまな試行錯誤を繰り返す学校もあります。
どちらがいいとは言いません。不易と流行。変わることも、変わらないことも、それぞれに意味があるからです。
ただ残念ながら本校の総合は不十分です。その後ろめたさもあり、これが総合かと思ってほしくなかったのが正直なところです。
先輩教師たちが手本を示してほしいところです
「実施計画、評価計画を立てて、3年間を見通した系統的な指導と評価が必要です。」というのも、初任者に向けた言葉ではないです。
「通知表に記載することが全員おなじになるということはないはずです。」というのもそうです。
初任者なのですから、これまでのことも分かりません。言われるがままにやっているのも致し方ないのです。
周りにいる先生方に言いたかったことだと思います。自分も、すぐに学校を変えられるような力量は持っていません。それでも現状を変える必要はあると感じたので、初任者にも正直に伝えました。
現状を反面教師と受け取ってもらえるといいなと思います。
評価とは「同じでないこと」を見取ること
「通知表に記載することが全員同じになるということはないはずです。」
この言葉には、個の学びを大切にする評価観を伝える意図があります。
総合的な学習では、同じ活動をしても、そこから得る気づき・考え・成長の方向は一人ひとり違います。
だからこそ、教師には「違いを見取る力」が求められます。
そのための方法として、「成果物」「発表」「自己評価」「ポートフォリオ」といった具体的手立てを示しました。
単なる理念で終わらせず、実践につなげられる工夫を紹介しました。評価を「記録すること」ではなく、「成長を可視化すること」として捉え直すメッセージです。
総合とは何の時間なのか
本校には総合的な学習の時間としてカウントしている「スポーツ大会」があります。つまり学校行事でもなければ、道徳でも学活でもなく、総合的な学習の時間としてのスポーツ大会です。
「スポーツ大会で何を身に付けさせたいですか?」という問いは、一見たのしい行事に見える活動も、「学びの場」に変えられるという発想を引き出すものです。
総合的な学習の時間は、授業よりも「成長の記録」に近い学習活動です。先生方の視点を「行事運営」から「教育的意図」へと切り替えてほしいと思っています。



