新年度がはじまりました。だんだんと学校が本格始動していきますね。
今年度は計画通りに修学旅行に行く学校がふえると思います。
しかしながら、ここには中学生ならではの悩み、ジレンマがあります。

えび先生、もうすぐ修学旅行ですね。
大会が近いのに、ごくろうさまです。

そうなんです。生徒たちは修学旅行を楽しみにしていますけど、
大会も近いのに練習ができないって言う声もあるんですよね。

勉強と部活動の両立は中学生の一番の悩みです。
修学旅行と各種大会への思いは、中学生のジレンマですね。

中学生にとってはどちらも大事なものです。
どっちつかずな思いはさせたくないんです。
こんなとき、どんな話をしてあげたらいいのでしょうか?
中学生にとって一番楽しみな行事である修学旅行、そして今まで頑張ってきた部活動。そのどちらもが春から夏にかけて行われます。
修学旅行と部活動、どっちも大事にしたい。大事にしてあげたい。さて、こんなとき、部活動顧問として、あるいは3年担任として、どんな話をするといいのでしょうか。
顧問としての思い。担任としての思い。これもジレンマ。
修学旅行を楽しみたい気持ちと、目標大会にかける思い、これは子供たちにとってもジレンマでしょうが、教師にとっても同じでしょう。
修学旅行に行っているあいだ、部活動は練習ができません。
中体連大会や各種コンクールが2ヶ月後に迫っていることを考えると、この数日間の練習時間は惜しいと思ってしまう顧問の先生もいると思います。
むかしはよく「1日サボると取り戻すのに3日かかるんだ」なんて言いました。
わたしも「カバンの隅にボールを持っていって、ボールの感覚を忘れないように宿で握っていなさい。」とか、「朝、早起きしてキャッチボールしていいか担任の先生にお願いしておきなさい。」などと話したこともありました。
しかし、ボールもグローブも余計な荷物になります。ラケットその他のものだって、修学旅行に関係のない不要なものだと言われてしまうでしょう。
顧問自らルールを破るようなことをそそのかすことはできません。
もちろん該当学年の担任としては、子供たちに修学旅行を心から楽しんでほしい、学んでほしいという気持ちもあります。
修学旅行がこれからの大会に活かせることを伝える。
修学旅行と各種大会を相反させてはいけません。ここまで勉強と部活動の両立と話してきたのですから、さいごも両立してほしいものです。どちらかを取るのではなく、どちらも取りに行くのが両立するということです。
そこで、わたしは次のように話していました。
上位大会に行けば、宿泊をすることになる。その練習のために修学旅行に行きなさい。
そして3日間、体調管理をしっかりすること。夜はしっかり寝て、昼間は元気に活動する。
友だちと楽しくて夜遅くまで起きていたり、食べたり飲んだりしすぎて体調を崩すようでは、上位大会で通用するわけがない。
真夏の大会を制するために、修学旅行を目一杯に楽しんできなさい。そして元気に帰ってきなさい。
このような話をしてから、顧問としても、担任としても、心置きなく子供たちを修学旅行に行かせることができるようになりました。
勉強と部活動の両立は、中学生にとって最大のテーマです。そしてそれは修学旅行と、最後の大会にかかってきます。ぜひ、後悔のない中学時代になるようにしてほしいと思います。