中学校の部活動の顧問として、大会や練習試合などに出る際には「引率計画」を立てて、生徒、保護者、学校(校長等)に知らせると思います。
日程や持ち物、トーナメント表を記したプリントの最後に、私はスポーツ選手の名言を載せるようにしています。
受け取ったときにワイワイ盛り上がるので、選手たちも誰のどのような名言が載っているのか楽しみにしているようです。なかには無言でじっと見ている生徒もいます。そういう生徒にはきっと胸に刺さったのだと思います。
参加計画に名言を載せる効果とは
次の目標に向かって選手を鼓舞する
熱い気持ちのこもった勇気づけられる言葉や、人生の教訓となるような染み入る言葉、その選手の生き様や考えが伝わってくる重みのある言葉を選ぶようにしています。
部活動に励む生徒たちを鼓舞することができます。
憧れるあの選手がこんなことを言っていたんだ。尊敬する誰々さんがこんなことを言っている。お父さんが言っていた誰さんってこんな人だったんだ。
よし、次の大会も頑張るぞ。次の大会に向けてさらに頑張っていこう。今回はスタメンに入れなかったけど、次こそは!そんな風に思ってくれたらいいなと思います。
保護者に顧問の思いや考えを間接的に伝える
プリントを最終的に受け取るのは保護者です。
受け取った保護者が名言をもとに昔の思い出を子供に話したり、その名言が出た瞬間の試合のことなどを話したりするのを期待しています。
スポーツの名言を通して、親子の会話が増えたり、親の応援する気持ちを伝えたりしてほしいと思います。
そして、その名言を選んこと、この時期に載せたこと、などから少しずつ顧問の今の思いや考え、指導方針などを間接的に伝わると思います。
「名言」はどこから持ってくるか
では参加計画に載せる「名言」はどうやって見つければいいのでしょうか。大きく3つのソースを示します。
ネットで探せばたくさん出てくる「が」
いちばん手っ取り早い方法は、ネットで「野球 名言」などと検索することです。まとめサイトを中心に多くの情報が出てきます。それをコピペしてしまえばいいのです。
しかし、この手軽さの裏には次のような注意点もあります。
その名言が生まれた経緯が分からないと、生徒に聞かれても答えられません。詳しい保護者がいたときにボロが出てしまうでしょう。ソースを確認不足で、勘違いで載せてしまうこともあります。
できれば自分でそのスポーツをTVなどで観て、そのときに言っていたセリフを覚えておくこと、メモすることが大切だと思います。その後のニュースサイトに上がってくるインタビュー記事をコピーしておくのも手だと思います。そうすれば、上記のような失敗もなくなります。
それでもネットは手軽です。「先生がいい言葉だと思ったから載せたんだよ。」でも説明としては十分だと思います。
マンガからも熱い言葉を探しておく
マンガから名言を載せることもあります。その際には、そのセリフの一コマを貼り付けるようにすることで、より生徒の胸に刺さるようにします。
「スポ根」という言葉はもう死語かもしれませんが、それでもスポーツマンガが日本から消えたことはありません。親世代にとっても、生徒たちにとっても、マンガとスポーツは切っても切り離せません。
「先生、バスケがしたいです・・・!」
例えばこのセリフ、子供は知らないかもしれません。でも、日本中の大人が知っていてもおかしくないようなセリフですよね。聞いただけで、三井に負けないくらいの涙が溢れそうになりますw
そして、子供たちには子供たちの世代としての熱いセリフがあります。そういったものを普段から探すようにしましょう。単行本を買って読むなり、借りて読むなりすればいいですね。
ただ、マンガを読む時間がない。大人買いするほどのお金がない。という事情も分かります。そんなときにも「マンガ タイトル 名言」などで検索すれば名言が出てきます。画像検索すれば絵も確認することができます。
参加計画にマンガを載せる場合には、出典元(作者、出版社、単行本の何巻か)なども載せるようにします。教育目的とはいえ、最低限の著作権には配慮するようにしましょう。
時には先生の言葉も載せる
私がたびたび生徒たちに話していることは、
「教室でやっていないことは、グラウンドでもできない。
グラウンドでやっていないことは教室でもできていない。」
です。多少の言葉の差異はあっても、ほぼどの部活動の顧問になっても言っています。
これは自分の指導方針をダイレクトに表現しています。他のスポーツ選手の言葉を借りずに、もう直接伝えたい。耳だけでなく、目で見て分かるように伝えたいというときには、そのまま書いてしまいます。実はそれがいちばん熱い言葉かもしれません。
学校で同僚の先生が言っていた言葉というのも響きます。生徒にとっては実在する人物、目の前にいる人物なので、イメージがしやすくなります。もちろん、載せる場合にはその先生に許可が必要です。副顧問やコーチを務めてくださっている先生がいれば、そのお話をよく聞いておくといいと思います。
最近つかった名言を挙げます
今年は野球部です。野球の名言は数多いので心配がありません。マイナーな種目の顧問になったらどうしよう。いや、オリンピックイヤーの今年、また多くの名言が生まれることを願います。
努力は必ず報われる。もし報われない努力があるのならば、それはまだ努力と呼べない。
(王貞治)
迷ったら前へ。苦しかったら前に。辛かったら前に。後悔するのはそのずっと後でいい。
(星野仙一)
浪人時代という挫折があったから、今のボクがあるのです。あれが自分の原点です。
(上原浩治)
今日もいい1日にする!人に負けるのはいいけど、自分には絶対負けへん!
(ダルビッシュ有)
往年の名プレイヤーも若い選手も、みんないいこと言いますね。スポーツって素晴らしい。
「引率計画」なのか「参加計画」なのか
ところで、この配付プリントは「引率計画」と呼ぶのでしょうか。「参加計画」でしょうか。
「引率計画」は教員から見た場合の言い方だと思います。生徒にしてみれば「参加」です。プリントには「参加計画」と書いたり、「引率計画」と書いたり、学校ごとの慣習・規定に合わせてください。
ちなみに私は中体連総合大会や新人戦は「引率計画」、 練習試合や協会主催などの各種大会などは「参加計画」と分けています。平日に行われる中体連等の大会は学校からバスの予算が出ますが、土日に行われる練習試合や各種大会は保護者の送迎(ほぼボランティア)で行っています。
教員が責任をもって連れて行く場合には「引率」です。学校行事扱いですので、欠席すれば出席簿にも「欠席」を付けなければいけません。
保護者の送迎は保護者の責任です。万が一にも事故が起きてしまった場合、保護者の方にその責任を負ってもらうことになります。もちろん、計画に無理がなかったかなど学校の責任も生じます。
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