マインドマップをときどき描いていますので、今回は毎日の「ゼロ秒思考」ではなく、わたしのマインドマップへの取り組み方を1つ紹介します。
それは寝る前に布団に入って描いている「就寝前マインドマップ」というものです。
はじめにゼロ秒思考とマインドマップについて比較してみます。そのあと、「就寝前マインドマップ」とはなんぞやという話、その効用を書いていきます。
残念ながら「ゼロ秒思考」は眠れなくなる
マインドマップは毎日書くような習慣にはなっていません。しかし、なかなか文章が出てこないときに、つらつらとペンを走らせながら出てくるものを書き留めるようにします。
ゼロ秒思考は文章で書くので左脳的です。マインドマップはキーワードをつなげてビジュアル的に表現するので右脳的です。わたしは普段はゼロ秒思考を行って思考を整理していますが、文章がしんどいときにマインドマップを描いています。
ゼロ秒思考の副作用として、脳が活性化するということがあります。夜寝る前に、今日をちょっと振り返ろうかなんて思ってやってしまうと、数時間は目が冴えて眠れなくなります。
脳の働きを考えると、1分間のダッシュを数本繰り返すわけですから、かなり脳にエネルギーを注ぎ込むことになります。次の運動(仕事)に向かうアップの一つとしてはアリのメニューですが、寝る前では覚醒作用があって反対にキケンです。
そこにいくと、時間の制限がないマインドマップはゆったり散歩をするようなものです。
セントラルイメージからメインブランチを伸ばして、ワードをつなげていきます。行き詰ったら違うところに目をやってまたブランチを伸ばしていきます。
マインドマップにはゼロ秒思考のような「1枚1分で」という時間制限や、10枚で終わりにするというタイミングもありません。
マインドマップを描いていて眠くなったらやめて寝ます。1日疲れた脳に残っている最後のエネルギーでポツポツと描きます。ほぼ寝落ちに近いレベルです。
就寝前マインドマップのやり方
今回はこの就寝前マインドマップについて説明していきます。
寝る一歩手前の状態で始める
就寝前マインドマップは、お風呂に入って、パジャマに入って、もぅ寝るぞ~というところから始まります。寝室の手元灯をつけて、ベッドに入って、枕を高くして、少し書きやすい姿勢になりましょう。
ペンはノック式のブラック1色にする
マインドマップはカラフルにすることで、脳を刺激して発想を豊かにします。しかし今回は就寝前です。引き出すというよりもフワッと浮いてきたものを捕まえる感じです。刺激が強いのはよくありませんので、ブラック1色でいいことにします。
最近はやりのグレー色や気分の穏やかになるライトブルー色もいいかもしれません。手元灯の明るさで、見やすい色、疲れない色を選ぶといいと思います。見返したときに見える濃さ、太さも必要です。いろいろ考えると、やっぱりブラックに落ち着きます。
ただ1本でいいと思います。枕元に多数のペンを置いておいて、朝起きたら顔にペンのあとが付いていましたなんて、出勤前に笑いごとでは済みません。
また、いつでも寝落ちできるようにノック式にしておきます。寝ているあいだにシーツを黒くするわけにはいきませんし、顔に刺さるのも嫌ですから、(もうダメだ、寝る)となったらペン先をしまって寝ます。
バインダーに上辺をとじて落ちないようにする
下敷きの代わりにバインダーを使います。A4用紙を横にして、長辺をとじて紙がずれないようにします。(このときのA4用紙もゼロ秒思考用の裏紙です。)
寝落ちして紙をグチャグチャにしてしまわないように、寝ようと思ったらベッドのヘッドボードのすき間に立てています。
落書きみたいでもイラストやレタリングを描く
色ペンを使わない代わりに、イラストはいくつか描くようにします。
わたしはイラストを描くのが得意ではないので、浮かんできた大事なキーワードをレタリングすることもあります。知っていたら、英単語にすることもあります。
脳を刺激しないといいながらも、文字以外のものを描くと何もないよりは発想が豊かになります。あまり頑張りすぎると、就寝前マインドマップにはなりませんのでほどほどにしましょう。
もうブランチも伸ばせない。キーワードも出てこない。気づきも湧いてこない。そうしたら、そろそろ寝る時間かもしれません。
就寝前マインドマップを行ったあと
最後に、就寝前マインドマップの大切な点を挙げておきます。通常のマインドマップにも言えることですが、寝る前だからこそやりっぱなしにしないことが大切です。
浮かんできた気付きは文章化する
マインドマップはゼロ秒思考以上に中間生成物としての色合いが強いです。
料理で例えるなら、ゼロ秒思考は食材の下ごしらえ、マインドマップはその前の食材選びだと思います。スーパーをうろうろ歩いて気になった材料を買い物かごに入れていくと、パッとレシピが浮かぶことがあります。
その発見は雲のようなもので、すぐにメモしないと消えてしまいます。ですから、マインドマップを書きながらも(あ、これってこういうことか)というような気付きがあれば、文章にして書くようにします。
マインドマップは描いて、描きっぱなしでは意味がありません。その材料をもとに調理をして、料理を仕上げてこそ意味をなします。その調理と料理こそ、この文章化のプロセスと書き上げた文章です。
起きてからどうするか
昨夜浮かんできた気付きをもとに、手帳にタスクを書き込んだり、ゼロ秒思考メモのタイトルを書いたりします。そのときに、使ったキーワードやブランチにマーカーペンなどで色をつけます。
これで食材を調理して下ごしらえが終わりました。あとは、タスクを実行することで調理完了となります。そこまでやれば、具体的な成果が上がるはずです。
テーマによっては、そのままマインドマップ用の紙ファイルに綴じます。エネルギーの残渣で書いたようなものなので、何も抽出できないこともあります。不平不満を書いたマインドマップはあまり見返す気にもなれません。
繰り返しになりますが、マインドマップは中間生成物なので「書きながら気付いたこと」「書き終えて気付いたこと」という成果物が得られればそれで十分です。時間があるならば、見返しながら色をつけたり、絵を書き加えたりしてもいいと思います。
まとめ:就寝前マインドマップをすると寝覚めがいい
就寝中は脳内の情報整理が行われるそうです。就寝前マインドマップはそのお手伝いです。ブランチとキーワードをかきながら、情報運搬のレールを敷き、情報の引き出しを作ってあげるのです。
就寝前マインドマップをやると、意外と目覚めがスッキリしているということが一番の効果かもしれません。
紙とペンとバインダーさえあれば始められます。今夜にでも試してみてください。