初任研担当として、初任者の先生方の報告書にコメントを書いています。
指導の先生とのやり取りや、教室での実践を通して、皆さんが日々たくさんの学びを積み重ねている様子に、励まされる思いです。
この記事では、報告書には書ききれないような視点から、わたし自身の経験も交えてメッセージをお届けしています。
少し立ち止まって考えたいとき、ふとヒントが欲しくなったときに、気軽に読んでいただけたらうれしいです。
「図書館教育」へのコメント
地域の図書館に月に2回は行っています。図書館には幅広い年代の人がいて、生涯学習の担い手になっていることが分かります。
図書館の意義は生徒にぜひ伝えていきたいですね。公民館も同様です。そのためにも、まずは学校図書館(図書室)へ足を運ばせてください。
生徒はテレビからYouTube、tiktokへと動画を見るのも短くなってきています。タイパのために集中力が短くなるという現象が起きています。
同じく読書も、長編が読めない生徒が増えています。幼少期からスマホ育児されて、絵本を読むことも減っています。そのため、中学校の図書室には絵本や長編などさまざまな本が求められています。
昼休み、どんな生徒が図書室に来ているか見に行ってみてください。意外な生徒が来ていて、意外な一面を見つけるかもしれません。
コメントに込めた思い
図書館の意義を取り戻すときが来ている
地域の図書館や公民館には、人が集い、学び続けるための仕掛けがあります。社会教育や生涯学習の担い手として、本来重要な役割があるはずです。(ちなみに、公民館という仕組みは日本だけのもののようです。)
しかし、近年は生徒の生活の中心がスマホに移り、読書習慣は大きく揺らいでいます。
だからこそ、学校図書館が、生徒と読書を入口として社会へつなぐ扉として大きな役割を持っているのです。
「図書館って実はこんなに面白い」「本ってこんなに楽しい」「世界は広いんだ」。そう感じられる原体験を作る場所は、まず学校図書館から始まります。
「タイパ時代」の生徒に読書の力をどう届けるか
今の中学生は、テレビ → YouTube → TikTokと、メディアの時短化の流れの中で育っています。
その結果、集中力が短くなり、長編を読めない生徒が増えているという実感があります。
今となってはタブレットで本を読んでいる生徒もいて、それを否定できない雰囲気もあります。
朝の読書の時間にどんな本をどんな風に読んでいるか、生徒の様子を見てみてください。
さらに、スマホ育児で幼少期の絵本体験が減り、「ページをめくる」「物語に浸る」という文化が育たないまま成長してしまう子もいます。
だからこそ学校図書館には、次のような多様な本が求められます。
- 絵本
- 短編・ライトな読み物
- 長編小説
- 図鑑やビジュアル資料
- マンガ的要素を含む解説本
読書への入口はひとつではありません。生徒が自分に合った扉から入れるように、本の揃え方や環境づくりが重要になります。
図書室に「生徒の意外な一面」が眠っている
昼休み、どんな生徒が図書室に来ているか見に行ってみてください。意外な生徒が来ていて、意外な一面を見つけるかもしれません。
普段は元気いっぱいの生徒が、実は静かな読書が好きだったり、授業中は目立たない生徒が、図書室では積極的に司書の先生と話していたりします。
学校図書館は、生徒の「隠れた才能」や「好き」が見つかる場所でもあります。
生徒が読んでいる本を否定することはありません。どんなレベルの本でも、どんな内容の本でも、それはその子が通るべき本の道なのです。
むしろ生徒が手に取った本を元に、生徒の今を理解してあげる一助になるでしょう。
さらには図書館司書から、生徒の悩みや思いが知らされることがあります。図書館司書は生徒にとって、保健の先生よりもカウンセラーよりも事務室よりも先生から遠い存在であるからこそ、安心してこぼせる本音があるのです。
司書と生徒の信頼関係を損ねないように配慮は必要ですが、司書から話を聞くことは生徒理解を深めるヒントになることがあります。
先生も図書館・図書室へ行こう
スマホ中心の時代だからこそ、紙の本を手に取る体験は、逆に価値を増しています。図書館は、生徒の世界を広げ、学び続ける力を育てる場所です。
地域の図書館が生涯学習を支えているように、学校図書館は、生徒の未来の学びを支える拠点になりえます。
生徒にその価値を届けられるかどうかは、私たち大人の働きかけ次第です。まずは先生が図書室へ行ってみてください。


