初任研担当として、初任者の先生方の報告書にコメントを書いています。
指導の先生とのやり取りや、教室での実践を通して、皆さんが日々たくさんの学びを積み重ねている様子に、励まされる思いです。
この記事では、報告書には書ききれないような視点から、わたし自身の経験も交えてメッセージをお届けしています。
少し立ち止まって考えたいとき、ふとヒントが欲しくなったときに、気軽に読んでいただけたらうれしいです。
「教材備品・特別教室の活用と管理」へのコメント
公立学校は税金で動いています。市民の皆さんが、食費を削ってでも納税してくださったお金です。
ついつい感覚が麻痺してしまいますが、やはり緊張感を持って公金、備品、消耗品を使わなくてはいけません。
事務の先生方はそういう高い意識で仕事をしています。教員が見習わなければいけないところです。
「物を大事にしなさい。」と生徒に指導している私たちが、同じく管理・執行しなくてはいけないと思います。
コメントに込めた思い
学校現場には、「これは教員の仕事なのか?」と感じてしまうような事務的な業務がいくつもあります。その代表格が、教材備品や特別教室の管理ですね。
しかし私は、この仕事を単なる雑務ではなく、「社会を学ぶための大切な機会」として捉えています。
公立学校は税金で動いている
公立学校のすべては、地域の皆さんの税金で成り立っています。
市民の誰かが、もしかしたら食費を少し削ってでも納めてくれたお金。
そのお金で買われた教材、備品、消耗品。当たり前のように使えるものも、ひとつひとつに背景があります。
その重さに気づけるかどうかは、教員の姿勢として大きな分かれ目になります。
忘れがちですが、「公金を扱っている」という緊張感のある意識は教育の一部なのです。
事務職員が教えてくれる“プロとしての倫理”
学校には、事務職員の先生がいます。彼らは、公金の取り扱いに対して非常に高い倫理観と精度をもって仕事をしています。
- 購入の理由
- 稟議の流れ
- 法的な基準
- 会計の透明性
- 公共性の担保
これらを淡々と守り続けている姿は、実はものすごく学ぶべきところが多いはずです。
教員は教育の専門家ですが、公共機関で働くプロとしての姿勢は事務の先生方から学ぶ点がたくさんあります。
「物を大事にしなさい」と指導するなら、教師も同じ姿勢で
教室では、私たちはしばしば言います。

物を大切にしなさい。

お金は大事だよ~。
けれど、その言葉を自分にも返すとどうでしょう。
- 備品を丁寧に扱うこと
- 消耗品を必要以上に使わないこと
- 特別教室の管理を計画的に行うこと
こうした行いそのものが、生徒に向けた教育になります。
率先垂範、有言実行、教師の後ろ姿は、言葉以上に生徒に影響します。
「事務仕事」は、社会の仕組みを学ぶリアルな教材
「学校の先生は世間知らずだ」と言われがちです。それはそうです。普段から関わっている情報も人も、世間一般とはかけ離れているわけですから。
でも「だから先生はダメなんだ」とは言われたくないです。大人として悔しいです。
教材備品の管理や特別教室の運用は、見方を変えれば「公務のプロセスを経験的に学ぶ最高の学習機会」です。
- お金には出どころがある
- 説明責任が必要である
- 使ったものは記録を残す
- 公共物は全員のものである
- 共同体の維持には細かな管理が必要
こうした社会の基礎が、備品管理、公金処理という仕事の中に全部詰まっています。
教員自身がそれを理解することで、生徒にも自然と伝わる「本物の教育」になります。
学校は社会の縮図。事務仕事はその第一歩。
「備品管理」は業務としては地味です。しかしそこには、公共性・責任感・倫理観という教育の根っこが詰まっています。
教師が備品や特別教室を丁寧に扱う姿は、生徒が社会に出たときに必要な力を育てる一歩にもなります。
社会は教室の外にあると思いがちですが、実は学校そのものが社会の縮図です。
だからこそ、こうした「事務仕事」を軽視せず、教育の一部として捉え直していきたいと思っています。


