理科の勉強をしている中で、ラストワンマイル問題というのを見つけました。
その他、Society5.0に向けて、移動手段に関する用語を整理しておきます。
「ラストワンマイル問題」とは。
足腰の悪い高齢者や車いす利用者が、サービスを受けるまでのほんの少しの距離の移動手段が限られるために、自由な外出が阻まれてしまう問題。
自宅からバス停や駅までの距離、着いた場所から最終目的地までちょっとした距離。最後の一区間なので、ラストワンマイルという。(1マイルは約1.6km。)
ここからさらに、ベッドから車いすに乗るために、介護者が抱きかかえるという重労働が必要になります。その結果、介護者が腰痛の重症化して離職せざるを得なくなるという問題が起きています。
また、高齢者が自力で外出できないために家に引きこもるようになり、認知症が進行してしまうという問題も起きています。
このようなことから、パーソナルモビリティの開発がもとめられています。
「MaaS」とは何か。
「MaaS(マース)」とは、「Mobility as a Service」の略です。単なる移動手段にとどまらない、サービスとしての移動という意味です。
自動車、電車、バス、飛行機など、あらゆる交通手段を互いにつなぎ、より便利で楽しい移動体験をユーザーに提供しようという概念です。
「カーシェアリング」とは。
環境への配慮や持続可能な開発の実現のために、クルマは所有するものから、シェアするものへと価値観が変化してきています。
小型タクシー(4人まで)もカーシェアリングのひとつの形態でしょう。過疎化のため地域によっては、電車やバスの廃線・減便が起きています。そのため、住民にとっても企業にとっても、バスよりも大型タクシーの需要が高いところもあります。
災害時の帰宅困難者を解消することや、電車・バスなどの交通手段がトラブルを起こすことを考えると、現在はタクシーの相乗りは法律上禁止になっていますが、これも緩和されてくるのではないでしょうか。
「自動運転」とは。
各自動車メーカーから、ドライバーの運転を支援する機能を搭載したクルマが出てきています。現在では自動運転レベル3の自動車も販売されています。お財布は全く届きませんが、ホンダのレジェンドやメルセデス・ベンツのEQSです。
自動運転には、自動車技術会(SAE)が定めたレベル0~5までの6段階があります。
レベル | 種 別 | 主 体 | 内 容 |
レベル0 | 運転自動化なし | ドライバー | ドライバーがステアリング、加減速などのすべての運転操作を行う |
レベル1 | 運転支援 | ドライバー | システムがステアリング、加減速のいずれかの操作を限定条件下で部分的に行う |
レベル2 | 部分自動運転 | ドライバー | システムがステアリング、加減速の両方の操作を限定条件下で部分的に行う |
レベル3 | 条件付自動運転 | ドライバー・システム | システムがすべての運転操作を限定条件下で行う システムの継続動作が難しい場合、ドライバーが適切に対応する |
レベル4 | 高度自動運転 | システム | システムがすべての運転操作と継続作動が難しい場合の対応を限定条件下で行う |
レベル5 | 完全自動運転 | システム | システムがすべての運転操作と継続作動が難しい場合の対応を無条件に行う |
理科という教科は、守備範囲が広くて面白いです。生徒に話すかどうかは別として、クルマ好きの生徒は大勢いますからね。