初任研担当として、初任者の先生方の報告書にコメントを書いています。
指導の先生とのやり取りや、教室での実践を通して、皆さんが日々たくさんの学びを積み重ねている様子に、励まされる思いです。
この記事では、報告書には書ききれないような視点から、わたし自身の経験も交えてメッセージをお届けしています。
少し立ち止まって考えたいとき、ふとヒントが欲しくなったときに、気軽に読んでいただけたらうれしいです。
「SDGsと学校教育」へのコメント
SDGsの前は、MDGs(ミレニアム開発目標)でした。 2000年~2015年まで取り組み、達成できたところもありました。
そして、その次の15年間でSDGsを目指しています。2030年まであと数年です。達成難しそうです。そうすると次どうしよう?となります。
実はすでに、SWGsが有力視されています。サステナブル・ウェルビーイング・ゴールズです。経済や環境といった開発に関わる目標から、人間の幸福や福祉に焦点を当てた目標です。
ESD(持続可能な開発のための教育)の手だての一つは、生徒の活動の中で、「これってSDGsのゴール何々だね?」とか「SDGsの目標でいうとなん番かな?」と話してみることです。
ぜひそこに「これってウェルビーイングかな?」という視点を持っておいて欲しいと思います。
コメントに込めた思い
SDGsを学校で扱い始めてだいぶ経ったように思います。エコ活動やボランティア活動などを全部ひっくるめてSDGsと言っているようで、どうなのかと思っています。さらに、次の時代は「ウェルビーイング」を問い続ける学びが必要になると思っています。
次に有力視されている「SWGs」
すでに国際的には、SDGsの次の枠組みとしてSWGs(Sustainable Well-being Goals:持続可能なウェルビーイング目標)が注目されています。
SDGsが「開発」「環境」「経済」の課題解決を軸にしていたのに対し、SWGsはより人間の幸福、心身の健康、社会的なつながりなど、「人が幸せに生きるとは何か」 に焦点を移した指標 です。
「地球が持続可能」から「人間の幸せが持続可能」 へ。これが次の時代の流れです。
SDGsは「答え合わせ」、SWGsは「問い続ける姿勢」
学校教育で大切なのは、SDGsを教えることそのものではありません。
SDGsを「枠」として扱い、生徒が自分の活動を振り返る「言語化の軸」にすること です。
- 「これってSDGsの何番に関わるかな?」
- 「この取組はゴール〇〇につながってるよね?」
この「ラベリング」によって、生徒は自分の行動に社会的な価値があることを実感できます。これがESD(持続可能な開発のための教育)の重要な手法の一つです。
ただ、時代は次に向かっています。そこで、ぜひ加えたいのが次の問いです。
「これはウェルビーイングかな?」という視点
SDGsの達成度を問うだけでなく、「この活動は自分や周囲の幸福につながったかな?」という問いを立ててほしいのです。
- 誰かの困りごとが減ったか
- 心が軽くなったか
- 関係が良くなったか
- 自分が成長した実感があるか
- みんなでやったから楽しかったか
SDGsという「指標」に加えて、SWGsという「幸福のものさし」を持つことで、子どもたちの学びはぐっと深くなります。
SDGsの次を見据える学校教育へ
2030年以降、世界は確実にSDGs以外の価値軸を必要とします。その転換期にいる今、学校が先に動き出せるのは大きな強みです。
- SDGsを知識として終わらせない
- 活動を振り返る軸として使う
- さらに「ウェルビーイング」という新しい視点を入れる
こうした学びを積み重ねることで、子どもたちは 「世界の変化を読み取る目」を自然と育てていきます。
ぜひ、生徒の取り組みの中に「これってウェルビーイングかな?」という問いをそっと置いてみてください。
学びがもっと人間らしく、もっとあたたかく、もっと未来につながるものになっていくはずです。


