初任研担当として、初任者の先生方の報告書にコメントを書いています。
指導の先生とのやり取りや、教室での実践を通して、皆さんが日々たくさんの学びを積み重ねている様子に、励まされる思いです。
この記事では、報告書には書ききれないような視点から、わたし自身の経験も交えてメッセージをお届けしています。
少し立ち止まって考えたいとき、ふとヒントが欲しくなったときに、気軽に読んでいただけたらうれしいです。
「問題傾向をもつ児童生徒への指導・援助2」
生徒の問題行動を見るときは、原因論と目的論で考えていきます。
どうしてそんなことをしてしまったのか、原因は?
どんなふうになりたかったのか、目的は?
学校でできることは少ないかもしれませんが、人の生活を一歩踏み外したところに、これだけのリスクが広がっていることを、私達は常に見ていなくてはなりません。
社会を変えたり、親や生活環境を変えることは並大抵ではありません。状況が変わらなければ再発もありえます。
しかし、目的を変えること、見方を変えることはできます。生徒が持っているリソースをどう使えばいいのか、共に試行錯誤してあげましょう。私たちは、期限付きの伴走者です。
コメントの背景
原因と目的の視点で考える
生徒の問題行動に向き合うとき、私たちは「原因論」と「目的論」の両方の視点で考えることが大切です。
- 原因論:なぜその行動をしてしまったのか、背景や理由を探る視点。
- 目的論:その行動を通して生徒は何を達成したかったのか、どんな思いや願いがあったのかを考える視点。
問題行動は単なる「悪いこと」ではなく、生徒なりの目的や意味をもっています。
教師としては、行動そのものを責めるのではなく、その奥にある思いを理解しようとする姿勢が重要です。
学校でできることの限界を知る
もちろん、学校でできることには限界があります。
原因が分かったとしても、家庭環境や社会の状況を大きく変えることは簡単ではありません。生活環境や社会の制約が変わらなければ、問題行動が再び起きる可能性もあります。
だからこそ、リスクの存在に気付き、子どもたちが踏み外す一歩の先に何があるのかを常に意識することが求められます。
目的や見方を変えることは可能
問題行動の根本的な解決は難しくても、目的の捉え方や見方を変えることは可能です。
生徒が抱える思いや力(リソース)をどう活かすかを一緒に考え、試行錯誤していくことが、教師としての重要な役割です。
例えば、攻撃的な行動をする生徒には、「目立ちたい」「認められたい」という目的が隠れていることがあります。
それを否定するのではなく、別の方法で認められる経験を提供することで、行動の方向性を変えることができます。
教師は期限付きの伴走者
私たちは生徒の人生の全てを支えることはできません。
ですが、学校にいる間、教師として伴走し、行動の意味や目的を理解する手助けをすることはできます。
生徒の力を引き出すために、共に考え、共に試し、共に歩む——それが「期限付きの伴走者」としての教師の役割です。
一人ひとりのリソースに目を向け、成長の可能性を信じて関わることで、子どもたちは少しずつ自分の目的を達成する手段を学び、行動の幅を変えていくことができます。



