【初任研】38「防災対策と避難訓練」へのコメント

 初任者研修

初任研担当として、初任者の先生方の報告書にコメントを書いています。

指導の先生とのやり取りや、教室での実践を通して、皆さんが日々たくさんの学びを積み重ねている様子に、励まされる思いです。

この記事では、報告書には書ききれないような視点から、わたし自身の経験も交えてメッセージをお届けしています。

少し立ち止まって考えたいとき、ふとヒントが欲しくなったときに、気軽に読んでいただけたらうれしいです。

 

「防災対策と避難訓練」へのコメント

避難訓練は、消防法により義務付けられています。毎年行うゆえに、形骸化・マンネリになりがちです。それは生徒だけでなく、先生方にとっても同じです。

しかし、生徒の将来を含めて、命を守る教育の一環としてしっかり取り組みましょう。

スモークをたく、障害物を置く、防火扉を閉める、担架や車椅子を使うなど、ちょっとした工夫ができると思います。

本校の場合は水害の危険があります。防災対策も学校によって違うので、必ず危機管理マニュアルに目を通すようにしましょう。

   

コメントの背景を解説します

このコメントには、次のような思いや考えがあります。

避難訓練は法的根拠のある教育活動である

避難訓練は消防法により義務付けられています。初任者に消防法まで勉強しなさいというつもりはありませんが、せめて法的義務を意識することは必要です。

消防法 第8条
学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店(これに準ずるものとして政令で定める大規模な小売店舗を含む。以下同じ。)、複合用途防火対象物(防火対象物で政令で定める2以上の用途に供されるものをいう。以下同じ。)その他多数の者が出入し、勤務し、又は居住する防火対象物で政令で定めるものの管理について権原を有する者は、政令で定める資格を有する者のうちから防火管理者を定め、当該防火対象物について消防計画の作成、当該消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施、消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の点検及び整備、火気の使用又は取扱いに関する監督、避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理並びに収容人員の管理その他防火管理上必要な業務を行なわせなければならない。

しかし、形式的にやるだけでは意味がありません。教育活動の一部として捉えてほしいと思います。

つまり「やらなければならない」訓練は、毎年のルーティンとして行うと、どうしても「やって終わり」になりがちですが、「やる意味のある教育活動」に変えていきましょう。

 

防災教育=命の教育としての位置づけ

避難訓練を単なる安全行動の練習ではなく、命の尊重を学ぶ道徳的・教育的活動と捉えれば、本来の目的は「命を守る行動を身につけること」にあります。

教師自身がその意識を持って臨まなければ、生徒にも真剣さは伝わりません。「生徒の将来を含めて、命を守る教育の一環として」取り組んでほしいと思います。

初任者の先生方にも「防災=授業外の行事」ではなく「教育の一部」という視点を持っていてほしいと思います。

そのために、大掛かりなことをするのではなく、できる工夫から進めてほしいと思います。

  • スモークを焚く(もし予算が許せば検討の価値ありです)
  • 障害物を置く(廊下にあるもの、大型テレビ、長机など)
  • 防火扉を閉める(防火扉が閉まった廊下を見たことはありますか)
  • 担架や車椅子を使う(家庭科室に古いマネキンはありませんか)

訓練を現実に近づける工夫をするのは、子どもたちの想像力と判断力を鍛えるためです。スモークや障害物、防火扉などの演出を通して、緊張感のある訓練を行うことが、実際の災害時の対応力につながります。

緊急時、人は訓練以上のことはできません。