採用試験を受ける講師の先生に、何かアドバイスできることはないかなとHDDを漁っていたら、自分が採用試験の対策で書いた小論文が出てきました。
ただファイルが壊れていて開けませんでした。何とか復旧できたので、バックアップの意味で記事にしておきます。もしかしたら、誰かの参考になるかもと思いましたが、講師時代の自分が書いた論文が参考になるとも思えません。
時代が違いますからね。思い出のバックアップです。
論文2 学力の向上のために,家庭学習の重要性があらためて認識されています。あなたは,学級担任として家庭学習についてどのように指導していきますか。
学力向上の基本は授業の充実であり,教師の指導力である。しかし,学習内容の定着,深化,補充の意味からも家庭学習は極めて重要であると考える。私は学級担任として,学力の向上と学習習慣,しつけ等の視点から,次のような指導にあたりたい。
家庭学習を進路指導の一環として捉え,学級活動等を通して将来の夢や目標実現のためと位置付け,学習意欲の喚起,さらには自主的な学習習慣の確立を図っていきたい。その際,学習内容や方法が優れている生徒のノートを紹介したり,各自の勉強法について話し合ったり,ノートのページ数を競ったりすることで,お互いに刺激しあい,高めあう関係を作らせたい。さらに,定期テストなどの目標を決め計画的に学習することを指導し,粘り強く家庭学習に取り組ませたい。ただし,次の3点について注意する。
第一に,家庭学習の取り組み方は,生徒一人一人の家庭環境によって異なるので,一律に指導するのではなく,個別指導を重視する。
これまでの学級担任の経験では,一つとして同じ状況の家庭はなかった。重く苦しい生活環境にいる生徒もいる。生徒の生活の中に家庭学習を行う時間を確保させるためには,家庭への協力をお願いすることも必要となる。だから,学級担任として生徒一人一人の家庭環境を理解したうえで,個別指導を中心に取り組みたい。
学習内容についても,基礎的・基本的な内容,応用・発展的な内容等,生徒の個人差に応じて個別に指導できるよう準備しておく必要がある。
第二に,生徒が家庭学習をしたら,そのノートを提出させ評価を行う。評価することによって,生徒の学習意欲を喚起し,質的・量的な向上を図るよう指導することができる。
最初は家庭学習の習慣を身に付けさせるため,ノートが提出できたことだけでも評価し,ほめていく。提出しないことを頭ごなしに叱ったりはしない。学習習慣が身に付いた生徒から順に,ページ数を増やしたり,内容が充実するように指導していく。
第三に,家庭学習の指導を学年の取り組みとして行うために,教科担任や学年の先生にも協力をお願いする。例えば,家庭学習のための課題プリントを作ったり,教科ごとに学習方法を指導してもらうなど,教科担任の協力は大きい。ただし,一度に大量の課題が与えられたり,指導方針が全く違っていては生徒の負担過重となってしまう。そのため,学年として教科担任も交えて話し合い,共通の認識と方針をもつようにし,各教科担任の間でも調整を図っていく必要がある。
また,学級担任として自分の教科だけでなく,他教科の勉強法についても研究し,生徒に個別の指導ができるようにしたい。
このように,家庭学習の指導は,学級担任として生徒一人一人の家庭環境に踏み込んだ深い生徒理解が必要である。また,家庭学習は将来の夢や希望を叶えるためと価値付け,生涯にわたって自学自習できる力を生徒に身に付けさせる機会と捉え,学年や教科で協力して指導にあたりたい。
家庭環境の複雑さはますますですね。「ふつうの家庭」なんていうものはないのではないでしょうか。ひとり親家庭は珍しくないし、ヤングケアラーやネグレクトが疑われる家庭もたびたび目にします。
そういった中でも、子供たちは健気に勉強をしています。外に出てもいいのに、スマホに逃げてもいいのに、家のなかで踏ん張っています。
だから学習の基本は学校です。学校の中で責任をもって学力を身に付けさせたい。
ただそれでも、長い人生を考えたときに、キャリアプランを考えたときに、自力で勉強するスキルを身に着けておくことも必要だと思います。だから家庭学習も必要だと思うのです。
教員は勉強のプロとして、目に見えない手の届かない家庭学習についても指導できるようになりたいものです。(20260830)

