採用試験を受ける講師の先生に、何かアドバイスできることはないかなとHDDを漁っていたら、自分が採用試験の対策で書いた小論文が出てきました。
ただファイルが壊れていて開けませんでした。何とか復旧できたので、バックアップの意味で記事にしておきます。もしかしたら、誰かの参考になるかもと思いましたが、講師時代の自分が書いた論文が参考になるとも思えません。
時代が違いますからね。思い出のバックアップです。
論文1 あなたの学級にADHDの疑いがある生徒A君がいます。あなたは学級担任としてどのように対応しますか。あなたの考えを述べなさい。
ADHDは近年病気として認められるようになった障害の一つである。注意欠陥・多動性障害と言われるように,ADHDの疑いのある生徒の多くは,授業や他の活動でも注意力に欠け,落ち着きがない。反対に,一つのことに夢中になってしまい,他のことが見えなくなったり,聞こえなくなったり,一つのことしかできなくなる生徒もいる。その原因は今だ特定されておらず,現状では医師の診断に委ねられている。そのため,教師の立場で安易に生徒をADHDと決め付けることは無責任である。
学級担任としてできる観察と支援の2点について,ADHDの疑いがあるという生徒A君を例に以下に詳しく述べる。
まず,学級担任として関わることができる時間は注意深くA君を観察するようにする。朝の活動や給食の時間,休み時間,清掃の時間などに,他の生徒と同様に,あるいはそれ以上の注意力を払って観察するよう努める。
次に,教科担任や学年の先生に,A君がADHDではないかと疑っていることを相談し,A君を注意して見てもらうとともに,気になる点について報告してもらう。自分の目だけでなく,第三者の目で見てもらうことで,短期間で客観性を高めつつ,多くの事実を記録として蓄積することができる。
それから,学年主任,教頭,校長にA君についてADHDの疑いがあることを報告し,指導を受ける。この際,思い込みや安易な推測ではなく,先の事実の蓄積が話せるようにしておく。
また,この指導のもとに,A君の家庭へも連絡し,A君の家庭での様子を聞きだしていく。A君がADHDであるかどうかも問題であるが,病名よりも観察事実を示すことで,A君のことが心配で,家庭と連絡を取りながら,協力して指導に当たっていきたいという姿勢を示す。家庭との協力関係,信頼関係が築けたのちに,A君を病院で診断してもらうよう勧めればよい。
ADHDの症状を踏まえて,学級担任として指導に当たるべきである。例えば,学校での様々な活動では,A君のペースにあわせて,一つ一つ順番に指示を与えていく。一度に多くの指示を与えてしまうと,注意力が散漫になるからである。また,全体への指示では集中しにくいことがあるので,A君の前でA君に指示することも有効である。授業においても同様であるから,教科担任,学年の先生,他学年の先生にも理解してもらい,協力をお願いしておく。
さらに,学級のほかの生徒へも,時間をかけて個性の一つとして説明し,理解してもらうよう努める。誰にでも何かに夢中になって,他のことができなくなるという経験があるはずだからである。
以上のように,生徒一人一人をよく観察することができる教師の立場を生かすべきである。つまりADHDを生徒の個性の一つとして受け止め,学校生活,社会生活への適応を支援しながら,家庭や関係機関との連携を取っていくのである。
学級担任に必要なことは,ADHDという病名ではなく,あくまでも生徒の可能性を信じた生徒理解であり,個に応じた指導である。
何度か書き直した覚えがあります。ADHDの理解も進んでいなかった時代です。今はだいぶ理解されてきていると思います。
それでも、社会や世間は理解が進んできているかもしれませんが、一つの個性として自分の周りに受け入れられているかどうか?、それは大いに疑問です。まだまだだと思います。
担任としてADHDの生徒をどう受け入れ、みんなと生活できるように整えていくか、人間としての在り方の部分が問われると思います。
言い方を変えることもできます。
担任として生徒全員をどう受け入れ、みんなが生活できるように整えていくか、人間としての在り方が問われます。ADHDかどうかは、診断名は、目の前の子どもにとって、どうでもいいのです。
病気ではなく、子どもを見ましょう。(20260830)

