【初任研】29「長期休業後の生徒指導」へのコメント

 初任者研修

初任研担当として、初任者の先生方の報告書にコメントを書いています。

指導の先生とのやり取りや、教室での実践を通して、皆さんが日々たくさんの学びを積み重ねている様子に、励まされる思いです。

この記事では、報告書には書ききれないような視点から、わたし自身の経験も交えてメッセージをお届けしています。

少し立ち止まって考えたいとき、ふとヒントが欲しくなったときに、気軽に読んでいただけたらうれしいです。

 

「長期休業後の生徒指導」へのコメント

夏休み明けには、一学期できていたこと、できるようにさせたことが、忘れ去られていてガッカリするものです。

しかし、だからこそ反復させる機会でもあり、修正するチャンスでもあります。

「2学期からはこうしてこう。」「次はここを変えていこう。」と、子供達の成長・変化をもとにしてクラスを変えていくことができます。

クラスは子どもたち中心です。子どもの同意を得ながら、共にクラスを創っていってください。学級目標を上げるのを忘れずに。

 

コメントの背景

1学期はじめの3日間のことを「黄金の3日間」と呼びます。

この3日間は、子供たちも緊張し、やる気がみなぎり、意欲が高いからです。

これを過ぎると、確かに息切れを起こしたり、問題行動を起こしたりと、不思議なほどに3日間の魔法が解けるのが分かります。

だからこそ、この3日間でしっかりと学級の基盤を作っていきましょう。というわけです。詳しくは向山先生の本を読んでください。

 

そして2学期はじめの3日間は「白銀の3日間」と言います。3学期は「青銅の3日間」です。

銀や銅ですから黄金ほどではないけれど、大事な3日間というわけです。

夏休み明け、子供たちはどんな顔をしてくるでしょうか?部活動で日に焼けて来る子もいれば、夏期講習で青い顔をしてくる子もいるかも知れません。

それでも学校に登校してくるということは、学校に何かを期待し、学校に意思を持って、来ているわけです。

その思いの火種を大切に、夏休み明けの再スタートを切ってほしいと思います。

 

70日掛けて指導したことが、40日間の夏休みで抜けてしまうなどということは、ある意味当然ではないでしょうか。むしろ入学して110日経って、子ども達はあのときに比べて飛躍的に成長しているはずです。

その成長を信じて、叱るのではなく、期待を込めて、ルールを変えたり、仕組みを変えたりしていきます。

「もう2学期になったんだからできるようになってほしいな。」「きっとこんな風にしてもできると思うよ。」「君たちからもなにかアイデアはないかな?」

そんなふうにしていけば、夏休み明けの気だるい雰囲気も吹き飛ばして、楽しい学級経営がまたできるのではないでしょうか。

夏休みの先生の頑張り(教材研究、研修成果)を発揮して、クラスに活気(エネルギー)を与えていきましょう。