【先生から】卒業文集原稿「全地球テクトニクス論」を書きました【平成25年度】

 学級担任として

学校ではプレートテクトニクスまでは学びますが、いまではプルームテクトニクス、さらには全地球テクトニクスまで考えられています。むかし、NHKかなにかで観ました。

そして「縁」。これは「縁結び」とか「ご縁がある」なんていう使い方をしますが、元々は仏教の言葉です。

最新の自然哲学と、古来からの宗教哲学、それらのつながりを見つける(想像する)のが好きです。

  

卒業文集メッセージ「全地球テクトニクス論」

「全地球テクトニクス論」

「縁」とは不思議なものです。私がこの学校に初めてきたのは、君たちが入学した年の8月。まえの中学校がこの学校に避難していたときでした。

そして今年度、その中学校からこの学校へ異動してきました。辞令を受けたときは、本当に不思議な「縁」を感じました。

この学校に着任して、双方の学校で交換した横断幕が体育館に掲げられていたことは嬉しかったし、君たちが私のことを「覚えている」と言ってくれたのには感動しました。

  

避難してきた中学校を受け入れてくれた恩を返せる時だと、この不思議な「縁」に感謝するときだと、君たちと授業するときはいつも思っていました。

わたしたちの日常はぐるぐると同じことの繰り返しです。

自分を中心に物事を考え、誰かの言動に右往左往しています。それだけではありません。

わたしたちの行っている生活は、サムシンググレートによって、新しいものを生み出したり、古いものを壊したりを繰り返しています。その過程で、笑いや喜びや幸せを生み出し、涙や悲しみや不幸を生み出しています。

だからこそ、ときどき起る奇跡のような「縁」が感動をもたらすのです。

  

わたしたちの地球はぐるぐると回転を繰り返しています。

地軸を中心に自転をし、太陽を中心に公転をしています。それだけではありません。

わたしたちの立っている大地も、全地球テクトニクス論に従って、プレートが地表の地殻から内部のマントルへと再生を繰り返しています。その過程で、地上に出てくるときはマグマを噴き出し、地下に沈むときは地震を引き起こします。

だからこそ、ここへ戻ってくるような「縁」が私にもたらされたのです。

   

私たちは東日本大震災から何を学んだのでしょうか?オンカロに何を閉じ込めようとしているのでしょうか?地球の叫びからどんなメッセージを受け取ればよいのでしょうか?宇宙への祈りによって何を成し遂げようとしているのでしょうか?

幸せも不幸も、すべてを作り出すのは地球です。厳しくもあり、優しくもあります。

幸せも不幸も、すべて感じ取るのは人間です。悲しくもあり、うれしくもあります。

だからこそ、平穏無事に回る日常にこそ、本当に大切なものがあるのです。

  

卒業、おめでとう。別れのつぎには出会いがあります。 あなたが伸ばす手の先にある「縁」を、しっかりと掴んでください。どんな災害にも、艱難辛苦にも、負けない力をつけてください。あたたかな幸せを、やさしい笑顔を、しっかりと守ってください。何に対しても強く、そして、誰に対しても優しくあってください。

  

固有名詞を載せるわけにはいかないので、「この学校」「あの学校」と言い換えています。

えび先生
えび先生

先生の専門って、なんでしたっけ?地学系ですか?

かに先生
かに先生

…ボクの専門ってなんだろー?

今はまだ中学生には難しくても、いつか高校、大学に行ったときに、こんなこと書いている理科の先生がいたなーって思い出してくれたら嬉しいです。