【環境】気候変動に向き合う「抑える」と「備える」

 防災教育

「温暖化対策まったなし」と言いだして何年経ったでしょうか。

かつては「チーム・マイナス6℃」とかあったんですよ。2005年~2009年、もう取り組みは終わってますが。

「チーム・マイナス6%」のキックオフについて(地球温暖化防止「国民運動」の推進)
環境省のホームページです。環境省の政策、報道発表、審議会、所管法令、環境白書、各種手続などの情報を掲載しています。

現在は「クール・チョイス」という取り組みになっています。プラス1.5℃以内に抑えるっていう話になってますね。すごい雑な言い方ですが。

COOL CHOICEとは|COOL CHOICE 未来のために、いま選ぼう。
COOL CHOICEとは、気候変動対策及び温室効果ガス削減をテーマにした2030年まで継続する新国民運動です。

きちんと学んで、きちんと考えて、きちんと行動する。雑な言い方ですが、それしかない。

  

抑えると備えるで気候変動に向き合う

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告によると、現在の世界の平均気温は18世紀よりも1.1℃も上昇しています。

さらに、2100年には最大5℃上昇するとも言われています。IPCCは2021年の報告書で「人間の生活が、地球温暖化に拍車をかけたことは「疑う余地がない」としています。

地球上の雪や氷が溶けて、界面が上昇したり、猛暑日が増えたりします。

この原因と言われているのが、大気中の温室効果ガスです。火力発電所やガソリン自動車の二酸化炭素もその一つです。わたしたちが今の化石燃料を続ければ、地球温暖化に拍車がかかります。

  

極端現象による災害が50年間で5倍に

地球温暖化は猛暑や豪雨などの極端な気象現象(極端現象)が頻繁に起こる原因の一つと考えられています。

日本の平均気温で見てみると、最高気温が35℃を超える猛暑日は、1990年代以前では1年間で1日程度でした。しかし、この30年の間に2.7日まで増えています。

1時間降水量が80mmを超える『猛烈な雨』は、1976年~1985年の10年間で14回でしたが、2013年~2022年の10年間では25回とおよそ1.8倍に増えています。

極端現象は、ときに災害規模にまで深刻化します。世界気象機関(WMO)の発表では、極端現象による災害は50年間で5倍に増えました。

異常気象や極端現象は、本来、大気の状態や海洋の動きなどの条件が絡み合って発生します。地球の自然の「ゆらぎ」です。

しかし、地球温暖化によって猛暑や豪雨の発生頻度が上がっています。このまま地球温暖化が続くと、頻発化(災害の回数が増える)したり、激甚化(規模や範囲が大きくなる)したりする可能性が高まります。

  

進行を「抑え」ながらリスクに「備える」こと

気候変動への対策には、「緩和」と「適応」の2つがあります。

「緩和」とは地球温暖化の進行を抑える行動です。節電したり、公共交通機関を利用したりすることを二酸化炭素の排出の削減になります。すでに広く知られた対策ですが、これらの効果・成果が上がるにはたいへん時間がかかります。

そのため、「適応」とはリスクを減らすように備えることです。季節にあった服装をしたり、災害に備えて防災バッグを用意したり、ハザードマップで自分の住んでいる地域の地形や危険箇所を把握しましょう。それぞれの地域や生活に合った方法を模索し、地球温暖化の緩和や気候変動への適応を進めなくてはいけません。

  

今日から私たちにできること

今年も熱中症が話題になりましたが、この気温上昇は地球規模の長期的な変化です。これにより、豪雨や猛暑だけでなく、洪水や干ばつなどの災害が増えます。

そして、野生生物や蚊を媒介とする感染症が拡大します。コロナ禍で経験したような医療崩壊が再び起きる可能性もあります。

風が吹けば桶屋が儲かるの例えのように、自然界には人間も含めて断ち切りようのないつながりがあるのです。

1 地球温暖化の進行を「抑える」

二酸化炭素の排出量を抑える取り組みは、地球温暖化対策の基本です。節電や省エネ、交通手段の工夫などは、今すぐにでも実践できます。

資源を守るための「3R」や「5R」は言わずもがなですね。リデュース(ゴミの発生を減らす)・リユース(繰り返し何度も使う)・リサイクル(資源に戻し新しい製品を作る)、さらにリペア(修理して使う)、リフューズ(受け取りを断る)です。

2 環境の変化に「備える」

気候変動で変化していく環境への「適応」も求められます。熱中症対策やクールビスなどもその一つです。

新しい技術をつかって暑さに強い野菜を生産したり、廃校舎を工場にして、農作物を育てたり、魚の養殖を行ったりといった発想の転換も必要になります。